… … …(記事全文2,593文字)□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
経世論研究所 所長の三橋貴明の
日本経済のボトルネックを取り去る国家コンサルティング VOL.793
◆◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆◆
☆☆☆☆☆☆ 日本経済は輸出依存である ☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 円高で日本経済は破綻する ☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 日本政府は財政破綻する ☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 日本の内需は絶望的である ☆☆☆☆☆☆
日本の新聞・テレビなどのマスメディアでは、上記のフレーズがあたかも「常
識」のように使われている。しかし、実際に数値データを調べてみると、上記
フレーズは全て根拠が全くない「嘘」であることが判明する。嘘のフレーズが、
まるで湿気を帯びた空気のようにまとわりつき、日本経済成長の「ボトルネッ
ク」と化しているのが現実なのだ。本メルマガでは、正しい数値データに基づ
き各種の「嘘の常識」を暴き、ボトルネックを取り去ることで、日本経済が着
実な成長路線を進めるようコンサルティングを提供する。 三橋貴明
◆◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆◆
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
-誰かの純資産は誰かの純負債-
驚くべき話だが、多くの人々は「誰かの資産は、誰かの負債」を理解していない。
結果的に、政府の負債「のみ」をクローズアップする財務省主導の財政破綻論が政治的パワーを持つことになる。
資産とは「貸している」、負債とは「借りている」という意味である。
誰かが貸しているとき、誰かが借りている。誰も貸さない場合、誰も借りれない。
「貸しは借り」である以上、資産=負債だ。当然、純資産(資産-負債)=純負債(負債-資産)となる。
社会全体で見れば、純資産の総計=純負債の総計だ。この原則を覆すことは、誰にもできない。
【2024年3月末時点 日本の各経済主体の純資産(兆円)】
http://mtdata.jp/20240701-1.jpg
図は、2024年3月末時点の日本の「全ての経済主体」の純資産、純負債の状況を示したものだ。
図のマイナスが純負債、プラスが純資産である。当然の話だが、グラフは正確に左右対称になっている。
家計の純資産は1808兆円に達しているが、それは「誰の純負債」によるものなのだろうか。
(1) 企業(非金融法人企業)
金融以外の企業が銀行融資を受け、支出すると、その金額分「貨幣」的には純負債になる。
無論、例えば企業が100億円の銀行融資を受け、工場を建設した場合、貨幣的なバランスシート(貸借対照表)は、
【企業のバランスシート(貨幣的)】
借方 貸方
0 借入金100億円
と、100億円の純負債になるが、企業の財務諸表的にはそうはならない。理由は、建設した工場が固定資産として計上されるためだ。
【企業のバランスシート(財務諸表)】
借方 貸方
工場100億円 借入金100億円
とはいえ、あくまで「貨幣」に限れば、企業は100億円の銀行融資を受け、支出することで同額の純負債になる。
週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~
三橋貴明(経世論研究所所長)