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週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~

三橋貴明(経世論研究所所長)

三橋貴明

現代の紙幣の理論

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経世論研究所 所長の三橋貴明の

    日本経済のボトルネックを取り去る国家コンサルティング VOL.792

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   ☆☆☆☆☆☆ 日本経済は輸出依存である ☆☆☆☆☆☆

   ☆☆☆☆☆☆ 円高で日本経済は破綻する ☆☆☆☆☆☆

   ☆☆☆☆☆☆ 日本政府は財政破綻する ☆☆☆☆☆☆☆

   ☆☆☆☆☆☆ 日本の内需は絶望的である ☆☆☆☆☆☆

日本の新聞・テレビなどのマスメディアでは、上記のフレーズがあたかも「常

識」のように使われている。しかし、実際に数値データを調べてみると、上記

フレーズは全て根拠が全くない「嘘」であることが判明する。嘘のフレーズが、

まるで湿気を帯びた空気のようにまとわりつき、日本経済成長の「ボトルネッ

ク」と化しているのが現実なのだ。本メルマガでは、正しい数値データに基づ

き各種の「嘘の常識」を暴き、ボトルネックを取り去ることで、日本経済が着

実な成長路線を進めるようコンサルティングを提供する。 三橋貴明

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-現代の紙幣の理論-

2024年7月3日、二十年ぶりに新日本銀行券、すなわち新たな図柄の現金紙幣が発行された。

日本銀行にとって、日本銀行券はバランスシート(貸借対照表)の貸方に負債計上されている。

(図の「現金」)

【2024年3月末時点 日本銀行のバランスシート(兆円)】

http://mtdata.jp/20240705-1.jpg

2024年3月末時点で、日銀発行の現金紙幣の総額は約126兆円。

我々は現金紙幣こそが「日銀が発行した貨幣」であると認識しがちだが、間違いだ。

現金紙幣は日銀が発行した「日銀当座預金」を紙化したものに過ぎない。

もっとも、我々は日銀に口座を持たないため、日銀当座預金という貨幣を使用することはできない。

現金紙幣には日銀当座預金の紙化と同時に、一般の人々に使用可能とするという意義があるのである。

日銀に口座を持つ市中銀行は、自らの資産である日銀当座預金を「引き出す(あるいは交換する)」ことで現金紙幣を手に入れる。

そして、我々は自らの資産である市中銀行の銀行預金を引き出し、現金紙幣として使うことになる。

それでは、現金紙幣の「前」の貨幣たる日銀当座預金は、いかにして発行されるのだろうか。

もちろん、日本銀行が国債を買い取る際に「キーボードを打つ」ことで発行されている。

現在の日本政府は、国債を発行することにより日銀当座預金を調達し、市中銀行に「銀行預金の口座残高を増やさせる」ことで国民に支出する。

市中銀行にとって、銀行預金は負債である。

市中銀行は政府の支持により自らの負債を増やさせられたことになるため、政府が調達した日銀当座預金で清算される。(政府保有日銀当座預金が、市中銀行に移る)

日銀当座預金は、銀行間決算及び「政府-銀行」間決算で使われる。というよりも、他に役割を持たない。

日本銀行や市中銀行が存在しない世界を想像してみよう。要するに、銀行預金が存在しない世界だ。

… … …(記事全文2,719文字)
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