… … …(記事全文2,757文字)本シリーズの最後は、トランプ再選が世界に与える影響についてだ。
●世界は多極化に向かう
バイデン政権が誕生した2021年以降、日本を含む欧米諸国は、世界の支配層の究極目標「世界統一政府」「新世界秩序(ニューワールドオーダー)」を明確に目指し始め、地球温暖化詐欺、コロナ“プラン”デミック、移民受け入れ、過激な多様性尊重(DEI、LGBT)など、全体主義的なリベラル政策を強力に推進してきた。
だが、現在、その反動(左から右)が欧州各国で起きている。
<2024年9月2日 共同通信>
そして今回、米国でも自国第一を掲げるトランプが次期政権を担うことになった。前述のCFRの論文や下のプーチンの演説が示すように、世界の支配層が目指しているリベラル的な世界統一政府樹立の流れが一旦止まり、トランプやプーチンやBRICsが目指している保守的な自国第一の多極型世界の構築に舵が切り替わった感がある。
<2023年10月4日 スプートニク>
<世界は米国覇権体制からBRICsを中心とした多極型へ>
では、米覇権が崩壊して世界の多極化が進めば、米国の横暴がなくなって世界から戦争がなくなるかといえば、そう簡単な話ではない。多極化が進む中で、各国は自国の利益を優先し、対立が激化する可能性があるからだ。国際政治の不安定性が増して局地的な紛争が多発・拡大し、最終的に第三次世界大戦につながらないとも限らない。第三次世界大戦は世界の支配層が望んでいることだ。共産主義は、排他的かつ暴力的な「革命」により既存のものを全て破壊して再構築することがその本質だ。第三次世界大戦は世界統一政府・世界新秩序の実現に必要不可欠な要素とも言える。
<共産主義の本質は排他的・暴力的な「革命」>
世界の多極化の中で、国際世論を無視して我が道を進む典型的な国家がイスラエルだ。自国第一の国が増えて他国の行為に干渉しなくなれば、イスラエルのパレスチナ人民族浄化はより容易になる。