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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.727:バイデン老化パニック(1)     撤退は必至か?どうなる米大統領選?


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             山田順の「週刊:未来地図」                 

                           No.727 2024/07/02

       バイデン老化パニック(1) 

     撤退は必至か?どうなる米大統領選?

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 いまだに、大統領選挙での候補者ディベートの波紋が治らない。バイデン大統領のあまりの老醜ぶりが、アメリカ中をパニックに陥れてしまった。はたしてこのまま、バイデン大統領は選挙戦を続けるのだろうか? 撤退はあるのだろうか?

 現時点ではまだわからないが、もしこのまま投票となったら、トランプ前大統領のカムバックは間違いない。

 いくらなんでも「老人ホームに行くべき人間をホワイトハウスに送り込む」有権者はいないだろう。

(*今回から3日連続で「バイデン老化パニック」を配信します。2回目(明日)は認知症について、3回目は老化について、最新情報を取り上げます)

[目次]  ─────────────────────

■目は虚ろ。トランプをボーッと見ているだけ

■主要メディアがそろって異例の「撤退要求」

■合衆国憲法により「職務続行不能」宣言を!

■「再選を目指すべきではない」が7割以上に! 

■バイデンは認知症を隠すため薬物使用!?

■トランプは認知症検査を受けて問題なし

■トランプもバイデンも健康診断では健康と

■健康状態が隠された「密室政治」の教訓

■世界の運命はジル夫人の手の内にある

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■目は虚ろ。トランプをボーッと見ているだけ

 

 6月27日にCNN主催で行われた「大統領選挙候補者討論会」(Presidential Election Debatesでの、ジョー・バイデン大統領の醜態ぶりは、アメリカ中、いや世界中が衝撃を受けた。まさか、ここまで老化がひどいとは、誰もが思っていなかったからだ。

 もっとも衝撃を受けたのは、民主党。党内はパニック、お通夜状態になってしまった。「集団自殺」(collective suicide)という言葉まで飛び交った。もはや、ディベートでの敗北などどうでもよく、「バイデンが死んでくれなければ、自分たちが死んでしまう」などと言う人間まで出たという。

 (Natasha Korecki, Matt Dixon and Jonathan Allen, 'Babbling' and 'hoarse' : Biden's debate performance sends Democrats into a panic', NBC News, June 28, 2024.)

  私もCNNでディベートを見たが、バイデンのボケ老人にしか見えない表情が気になって、トランプがなにを言っているのか耳に入らなかった。バイデンは自分の発言が終わると、右側のトランプに目を向けるが、その目はとろんとして虚ろ。トランプをただ、ボーッと見ているだけだった。

 

■主要メディアがそろって異例の「撤退要求」

 

 これでは、ディベート翌日から、メディアで「バイデンは撤退せよ」という論調の記事が出るのも当然だ。リベラルと民主党の牙城「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)は、「バイデンは4年前の彼ではない」とし、11月の選挙では、トランプに勝てる新候補が必要だと訴えた。

「ワシントン・ポスト」(WP)は、政治コラムでデビッド・イグナチウスが「バイデンが再選出馬すべきでないことは、約1年前から明らかだった」と述べ、民主党に新候補者選びを要求した。イグナチウスは、もっともバイデン推しのジャーナリストの1人である。

 保守の「ウォールストリート・ジャーナル」(WSJ)も、エディトリアルで、バイデンの弱々しい姿を批判し、「国民の誰もが、彼がプーチン露大統領や習近平・中国国家主席と対決することを望まないだろう」と論じた。

 アメリカの主要メディア「NYT」「WP」「WSJ」が、そろいもそろって、現職大統領に「撤退」を求めるなど、異例である。聞いたことがない。

 アメリカのメディアばかりか、英「エコノミスト」も「バイデンは別の候補に道を譲るべきだ」と述べ、「11月の大統領選で勝てたとしても、4年間の任期を果たせるかは疑問だ」とした。

 

■合衆国憲法により「職務続行不能」宣言を!

 

 言うまでもないが、アメリカ大統領は、アメリカ軍の最高司令官(Commander-in-Chief)である。それが、この状態では、どうやって軍を動かし、アメリカの安全を守るというのだろうか。

 横須賀の海軍ベースに勤務する、私の知人の米軍人は、こう言った。

「あれでは、軍は動かない。世界のことなんかなんにも知らなくて軍に入ってきた若者ですら、あの老人がオレたちの司令官?と、逃げ出してしまうでしょう」

 さっそくだが、共和党側からは「即刻、大統領を辞めてもらいたい」という声が上がった。大統領選挙からの撤退ではなく、大統領そのものを辞職してほしいというのだ。

 共和党のマイク・ジョンソン連邦下院議長は、合衆国憲法修正第25条4項の規定に基づいて、大統領の「職務続行不能」を宣言し、カマラ・ハリス副大統領が職務代行をしたらどうかと提言した。

 憲法のこの規定では、副大統領と閣僚の過半数が申し立てれば、大統領の職務続行不能が認められ、副大統領が職務を代行する。しかし、この憲法の条項が適用されたことは、これまで1度たりともない。

 

… … …(記事全文7,032文字)
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