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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.721:


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           山田順の「週刊:未来地図」                 

                         No.721 2024/05/21                 

 「愛子天皇」は「待望論」だけで終わるのか?

   日本復活のためには女性天皇が必要!

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  6月末の国会会期末に向けて、皇室をめぐる与野党間の協議が始まった。まとまれば、皇位の安定継承に向けた皇族数の確保ができるようになる。しかし、根本問題である「女性・女系天皇」につながる皇位継承問題は封じ込められたままだ。

 ここにきて、「愛子天皇」を熱望する国民の声が高まっているというのに、ほぼ無視されていたと言っていい。このままで、女性天皇は誕生せず、日本はますます輝きを失っていくだけだろう。

[目次]  ─────────────────────

■「愛子天皇熱望」ムードのなかの国会論議

■「男系男子」が継承という規定が危機を招く

■悠仁親王の誕生で女性天皇はたち消えに!

■単に皇族、皇位継承者を増やすだけの改正案

■高まる「愛子さま人気」を無視していいのか

■愛子天皇誕生で日本に明るさと希望が戻る

■男系男子は側室がなければ維持できない

■5代もさかのぼることに意味があるのか?

■天皇制はなぜ長く続いてきたのか?

■決定的なのは秋篠宮家への嫌悪感

■2045年前後までは、問題を先送りできる

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■「愛子天皇熱望」ムードのなかの国会論議

 

 各種世論調査で「女性天皇容認論」(≒愛子天皇熱望論)が高まっている。先月、4月28日に発表された共同通信の調査(18歳以上の男女3000人が対象)では、女性天皇を認めるという意見がなんと90%に達した。

 また、今月 18、19の両日に毎日新聞が実施した世論調査では、女性天皇に賛成が81%に上り、反対は10%にとどまった。

 そんななか、国会では皇室をめぐる問題に関して、与党案を中心に与野党協議が始まっている。17日に衆院議長公邸で開かれた各党代表者による会議後、額賀福志郎衆院議長は記者会見でこう述べた。  

「今日から立法府の総意としての意見集約に向かうスタート台に立ったところだ」

 ただし、協議の中心は、減少の一途をたどる皇族数の確保をどうするかで、女性・女系天皇を含めた皇位継承問題ではない。

 額賀議長は今国会の会期中(6月23日閉会)の取りまとめを目標とするというが、はたして約1カ月で合意形成ができるだろうか?

 

■「男系男子」が継承という規定が危機を招く

 

 では、今回の与野党協議にいたるまでの経緯と、なぜ、女性・女系天皇論が封印されたのか、振り返ってみることにしたい。

 まず、問題の根幹には、天皇家に長い間、男子の皇位継承者が誕生しなかったことがある。明治時代に定められた「皇室典範」は、皇位は「男系男子」が継承し、皇族女子は一般男性と結婚すれば皇籍を離れると定められているからだ。

 現在、皇室は17人で構成され、皇位継承資格を持つ男性皇族は3人である。皇位継承順位は、1位が「皇嗣」(こうそ)となった秋篠宮文仁・親王(58歳)、2位が秋篠宮さまの長男の悠仁(ひさひと)・親王(17歳)、3位が上皇陛下の弟の常陸宮正仁・親王(87歳)となっているが、次世代に限れば、悠仁・親王だけである。

 未婚の女性皇族は、今上天皇・徳仁陛下(64歳)の長女・敬宮愛子・内親王(22歳)を含むわずか5人で、結婚すればみな皇籍を離れることになる。

 つまり、悠仁・親王まではいいとして、もし、悠仁・親王に男子が誕生しなければ、男系男子の皇統は途切れることになる。また、女性皇族は結婚すれば皇籍を離れるので、近いうちに1人もいなくなってしまう可能性が高い。

… … …(記事全文7,184文字)
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