━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.679 2023/08/01 できるわけがない地方創生: 支援金、補助金で「移住促進」という超愚策 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230801090000112167 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-112069.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最近、腹が立つことが多い。その一つが、地方創生であり、そのための方策として行われている「移住促進」政策だ。移住するなら支援金、移住してくれたら補助金をあげますというのだが、そのもとは税金である。 おカネ目当てに地方に移住する人間はいるにはいる。しかし、そんな人間をいくら呼び込んでも地方創生などできない。 今日また、無駄な税金が使われ、地方はますます疲弊していく。 [目次] ────────────────────────────── ■“ふなっしー”が宮崎県都城市にお引っ越し ■1世帯あたり最大300万円、子ども100万円 ■財源は全国トップクラスのふるさと納税 ■移住支援金、家賃補助など豊富なメニュー ■東京から地方へ移住で最大「300万円」 ■いくら支援金を出しても東京から出ていかない ■「地域おこし協力隊」という大失敗政策 ■地方自治体と人材の本気度によるミスマッチ ■「ゆるキャラ」と「B級グルメ」はどこへ? ■自治体消滅を防ぐための「本末転倒」政策 ────────────────────────────────── ■“ふなっしー”が宮崎県都城市にお引っ越し さる7月13日、宮崎県都城市が都内で中央のメディアを集めたキャンペーンイベントを行った。その主役は、なんと、あの“ふなっしー”。誰もが知る千葉県船橋市の私設マスコットキャラクターだ。なぜ、都城が縁もゆかりもない船橋の、しかも、公認キャラクターでない“ふなっしー”を呼んだのだろうか? 都城市は宮崎県第二の都市で、現在の人口は約16万人。数年前から穏やかな人口減少に見舞われているが、今後はそれが加速し、20年後には12万人台になると予測されている。そのため、市では「住めば住むほど都城」というキャッチフレーズの下に、これまでさまざまな移住促進策を進めてきた。 今回はその一環として、“ふなっしー”に都城に移住してもらうという設定のキャンペーンだった。 イベントに登場した“ふなっしー”に、池田宜永市長は“ふなっしー”の名前に数字を当てると「274」となることにちなみ、「都城市役所内274号室」という架空の住所の特別住民票を贈呈。さらに、“ふなっしー”にはきょうだいが274人いるということから、全員が移住してくるという想定で2億7700万円の移住応援給付金の模擬パネルも手渡した。 池田市長は、「“ふなっしー”の目線を通じて、都城の子育てのよさや移住支援のお得感を感じてほしい」と、得意げに語った。 ■1世帯あたり最大300万円、子ども100万円… … …(記事全文7,376文字)