━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.678 2023/07/25 日本には行きたくない! 大阪万博危機が象徴する「見限られた日本」 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230725090000111803 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-111707.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2025年大阪万博の開催が危ぶまれている。パビリオンを建てようとする国がないからだ。しかも、建てると決まったとしても、人手不足で工事ができるかどうかもわからない。 この現実を政府も大阪府も認めようとしないが、要は、日本という国が世界から見限られたということ。もはや、観光とビジネス以外で、この国にやってこようなどという外国人はほんとんどいない。人手不足を移民に頼ろうと画策された「技能実習生制度」は破綻した。新しく設けられた単純労働者の受け入れのための「改正出入国管理法」も機能していない。 「稼げない国」「希望が持てない国」になった日本の現実を、いまこそ全国民が認識すべきだろう。 [目次] ────────────────────────────── ■パビリオン建設申請ゼロに焦る万博協会 ■現場で働く外国人労働者が足りない ■まったく危機感がない万博推進派の人々 ■ディズニーランド以上の入場者を集められるか? ■技能実習生という単純労働者の受け入れ ■日本は「人身取引国」「奴隷労働国」 ■アジアの労働者から見限られた日本 ■単純労働者受け入れ大転換も効果なし ■日本の高度人材の報酬は上海よりも低い ■移民反対論を唱える人々の時代錯誤 ■今後、外国人人口が増えるという大甘予測 ────────────────────────────────── ■パビリオン建設申請ゼロに焦る万博協会 いまから5年前の2018年11月、大阪万博が決まったとき、私は「Yahoo!ニュース」個人欄に、『経済衰退にトドメか?「大阪万博2025」は悪夢でしかない』というコラムを書いた。 当時は、万博開催が決定して「祝福ムード」にあったので、私のコラム記事は「水を差すのか」と、多方面から非難された。 私は、万博(EXPO)はオワコン(過去の遺物)で、開催する意義などない。まして経済効果などない。最終的に税金の無駄使いになり、日本経済をさらに衰退させる。未来を知りたければ、SLUSH、CESなど大規模な国際見本市がいくらでもある。 すでに、万博などやろうという先進国などなく、やろうとするのは強権国家だけ。実際、立候補したのはロシアのエカテリンブルグとアゼルバイジャンのバクーの2都市だけ。それに勝って開催を勝ち取ってなにが嬉しい。時代錯誤ではないかと、指摘・警鐘した。 私の指摘・警鐘は、的中した。伝えられるのは、開催まで2年を切っているのに、海外パビリオンの建設申請が未だにゼロだということ。多くの国が参加表明をしたが、実際には、参加する気はないのだ。 そのため、「これでは開催できないのではないか」という声が強まり、岡田直樹万博相や万博協会の石毛博行事務総長などが、慌てた様子で会見する事態になっている。… … …(記事全文7,660文字)