━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.680 2023/08/08 世界の街角で見かけなくなった中国人 中国経済は今度こそ本当に崩壊してしまうのか? ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230808090000112440 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-112340.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この夏、世界各地でコロナ禍前はあれほど目立った中国人観光客の姿を、ほとんど見なくなった。日本人と同様、中国人は海外に出なくなってしまった。 その原因は、中国政府の政策もあるが、やはり、経済の失速にある。そこで、またまた言われ出したのが、中国経済の崩壊である。 はたして、今度こそ本当に中国経済は崩壊してしまうのだろうか? たしかに、3期目を迎えた習近平体制は揺らぎ出し、経済はデフレに突入している。このまま、中国もまた日本同様の「失われた時代」に突入していくのだろうか? [目次] ────────────────────────────── ■中国人観光客が激減した世界の街角 ■チャイナインバウンドが減退した日本 ■失速、回復遅れを裏付ける公式データ ■中国経済の屋台骨である輸出の大不振 ■日本と真反対のデフレ不況に突入 ■低迷を加速化させる人口減、少子高齢化 ■就職できない、恋愛・結婚は嫌という若者 ■「習近平帝国」から逃げ出す中国人富裕層 ■北京を襲った豪雨による経済損出は? ■気候変動にもっとも脆弱なのが中国 ────────────────────────────────── ■中国人観光客が激減した世界の街角 たとえばニューヨークのタイムズスクエア。コロナ禍前は必ず目についた中国人のツアー客の姿がない。中国人観光客はいるにはいるが、その多くは、台湾や香港からやって来た中国人、あるいはチャイニーズアメリカンだ。ロサンゼルスのロデオドライオブも同じである。 パリも、中国人観光客は少なくなった。観光大国フランスにとって中国人は上客。有名デパート「ギャラリー・ラファイエット」でブランド品を爆買いしていたのは中国人観光客だった。それが、コロナ禍が終わって半年以上経ったというのに戻ってこない。コロナ禍前は、毎日、「ギャラリー・ラファイエット」前には、中国人観光客を乗せた大型バスが止まったが、いまは1台も止まらない。 この状況は、欧米に限ったことではなく、アジアでも同じだ。バンコクは、中国人にとってアジアNo.1の観光地で、コロナ禍前までは毎年1000万人以上が訪れていた。それが、今年の上半期(1月〜6月)はわずか約140万人。タイ政府は少なくとも年間で700万人を期待していたが、その目論見は大幅に外れ、このペースだと300万人程度にとどまると見られている。 ブルームバーグは7月10日付の配信記事で、5月に東南アジア5カ国を訪れた中国人の数は、2019年との比較で14~39%のレンジにとどまったと伝えた。シンガポールはもっともひどく、1~5月は約31万人で、2019年同期の155万人を大きく下回ったという。 ■チャイナインバウンドが減退した日本… … …(記事全文6,685文字)