ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00049/2019112806585761180 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2019/11/28 第2004回 反中に転じ始めた欧州 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★これまで中国との関係に融和的であったEU各国ですが、ここにきて中国に対する姿勢を変更し始めています。ファーウェイや5Gをめぐる問題に関しても、規制を強める方向で一致し、NATO強化の方向に動いています。欧州の防衛ですが、日本同様に米国抜きでは成立せず、小国の集合体であるEUの連携が求められています。ドイツはマクロン大統領のNATOに代わる欧州軍構想に否定的な意見を述べ、NATOの強化を謳い始めました。中国による企業買収などにも否定的になり始めており、ドイツの方針が大きく変わり始めています。 経済の中国依存度が高いドイツ 中国経済の低迷で景気の悪化が懸念されるとともに中国への依存度を引き下げようと必死です。 金融的に中国と欧州をつないできたドイツ銀行、サブプライム問題で英米系銀行は中国資産を大量に売却しました。それを積極的に購入し、英米系が投資銀行業務を縮小する中で拡大を続けました。また、中国側もドル一存の外貨準備体制から、ユーロへの投資を拡大、ドイツと中国の蜜月関係が生まれたわけです。そして、2015年のドイツ銀行のCOCO債危機を救ったのも中国資金であり、結果的に海航集団が筆頭株主になり、ドイツ銀行は中国企業の海外上場や海外での債券発行を引き受けたわけです。 しかし、この積極的な事業展開が裏目に出て、海航集団もドイツ銀行も危機的状況に陥ったわけです。海航集団はドイツ銀行の株式を全売却し、ドイツ銀行は投資銀行業務と債券発行業務からの撤退に近い縮小をし、資産の売却による債務の縮小を行っています。これにより、中国とドイツの金融面での蜜月は終了しました。… … …(記事全文2,882文字)
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