■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ <1ヶ月にビジネス書5冊を超える知識価値をe-Mailで> ビジネス知識源プレミアム(水曜刊:660円/月:税込):Vol.1326 <Vol.1326号:複雑な情勢を生む単純な事実は、マネーサプライの変化(1:前編)> 2023年4月5日:マネーサプライの減少と金融・経済 本稿では、金融危機という複雑系の現象の底にある単純な事実、米国マネーサプライ(M2)の減少という事実を、取り上げます。 タイタニック号が進んでいる厚い霧のなかで、2年、3年の見通しがつくでしょう。 ウェブで読む:https://foomii.com/00023/20230406080000107580 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ホームページと無料版申し込み http://www.cool-knowledge.com 有料版の申込み/購読管理 https://foomii.com/mypage/ 著者へのメール yoshida@cool-knowledge.com 著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ タイにお住まいの方から「SMBCプレスティア銀行(旧シティバンク)からのタイ・バーツ預金引き出しに、金額の制限がついた。米国の銀行危機がここまで浸透したのか?」という主旨のメールがありました。 大切な現象ですが、銀行は、機能に都合の悪いことが起こっても、顧客に理由を示さないことが多い。SMBCプレスティア銀行は、シティバンクを継承したグローバル銀行です。SMBCという名のとおり、SMBCグループの信託銀行。 メールで送った回答を、若干の説明を加えて、転載します。 <「FRBの利上げと、国債売り(=銀行の当座預金の減少)により、世界的にドル不足が起こっています。 貿易額が大きいタイでは、輸出入に使う外貨準備(ドル)の不足になります。タイ中央銀行はたぶん「ドル買い/バーツ売り」を行って、自国の外貨準備の不足を埋めています。 ドルが不足すると、対外負債の返済・利払いと、輸入に支障をきたすからです。タイもドルで借りた対外債務がGDPの36%と多い。ドル建て債務の大きさは、新興国に共通します。ドルの金利が上がると、対外債務の利払いが増えて新興国を苦しめるのです。 米国は、日本と中国から借りる一方、そのマネーがウォール街に集まり、高い金利がとれる新興国に投資しています。ドルを武器にしてウォール街が世界金融のハブ空港になっているのです(ドル基軸通貨体制)。 「ドル買い/バーツ売り」のため、中央銀行が通貨を増発しないかぎり、タイ銀行のバーツが減ることになるので、窓口で得引き出し制限をしているのでしょう。世界の金融は、ドルで一本につながっています。… … …(記事全文16,305文字)