■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ <1ヶ月にビジネス書5冊を超える知識価値をe-Mailで> ビジネス知識源プレミアム(週刊:648円/月):Vol.996 <996号:今までで、最高の音が出た> 2019年3月20日:テーマ領域:商品作りでのビジョンの実践 ウェブで読む:https://foomii.com/00023/2019032110000053070 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ホームページと無料版申し込み http://www.cool-knowledge.com 有料版の申込み/購読管理 https://foomii.com/mypage/ 著者へのメール yoshida@cool-knowledge.com 著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 経済・金融・流通・経営について書く傍ら、新しいスピーカー作りを行って来ました。約三か月かかりました。最高の音と評価できるものが90%は完成したので、報告します。 【根気】 細部の工作が、音の改善につながっているという実感があると、費やした200時間の作業に命の充実を感じます。満足の行くまで加工をやめない職人や、彫刻家の精神がこれかとも思う。この精神(エスプリ)とは、持続する根気だとわかりました。あらゆることに通じます。経営の精神=会社を発展させる持続的な根気。 文章を書くときも、「ここが本質」と思えるところに至る感じがするとき、時間を忘れます。理性は未来への思考です。意図して曲げることもできます。しかし現在の受動的な実感は、偽ることができません。 政治家は他人に嘘を言う。しかし自分の内観では嘘だと分っています。職人は、人間ではなく、偽ることのないモノが相手なので、誤魔化すことができない。自作の自己評価では自分に嘘はつけません。自分に嘘をつき、それが本当に思えるなら自己欺瞞という、フランスの象徴派詩人ボードレールがかかっていた心の病でしょう(『悪の華』)。 オーディオで構造が進歩していないのはスピーカーです。100年以上前の真空管の時代から、増幅された電力をコイルの磁力の変化としてコーンの振動に変え、空気の粗密波(音)を作る構造は変わらない。スピーカーをSPとします。箱につける前の、磁石・コイル・コーンと、それらを支えるフレームです。あらゆる機械は、機能の発揮には、不必要なものをもっています。 【スピーカーの音の性質】 振動するコーンは、表の音の裏で、同じ量の、不必要な逆相の音を出しています。箱を使う理由は、200HZ以下の低い音では、SPユニットの裏に、うちわを扇いだときのように空気が回り込んで、音を打ち消すからです。逆相の音を閉じ込めるのが、箱の役目です。逆相とは、空気の粗密が逆の音です。SPの±を逆につなぐと逆相の音になります。 スピーカーの音を出す原理は、楽器とは真逆です。楽器は、箱(または管)の共鳴で、音のエネルギーである振動を大きくします。弦の振動を音にするヴァイオリンやピアノの構造を見ると分かるでしょう。スピーカーでは、楽器とは逆に、コーン以外の共鳴と逆振動を抑え込まねばならない。 薄く軽いコーンからでも、それと同じ大きさで発生する逆相の音を、どう処理するかが、スピーカーシステムの設計の要(かなめ)です。… … …(記事全文20,940文字)