■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ <1ヶ月にビジネス書5冊を超える知識価値をe-Mailで> ビジネス知識源プレミアム(週刊:648円/月):Vol.987 <987号:貿易戦争とブレグジットの波及から、世界経済は低速化する> 2019年1月30日:世界のGDPの、成長率の低下 ウェブで読む:https://foomii.com/00023/2019013110000051690 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ホームページと無料版申し込み http://www.cool-knowledge.com 有料版の申込み/購読管理 https://foomii.com/mypage/ 著者へのメール yoshida@cool-knowledge.com 著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ おはようございます。賃金統計をはじめとする、わが国の基幹統計の40%にあたる22で誤りがあったことが明らかになり、会期が始まった国会では政府が追及されています。行政の政策は、国家の統計に基づくものです。誤りが意図したものなら、官僚の犯罪です。 矢面の厚労省には「軽く済ませよう」という意図が見えます。しかし事実に基づかねばならない行政の統計不正と官僚の仕事ぶりは、見逃してはならないものでしょう。 ▼サンプリングについての基本的な知識 40%の経済統計の数字を高く見せる誤りが、諸官庁で、同時に発生する確率は低い。証明はされなくても、サンプリングなどにおいて偽装があったことになるでしょう。目的は、アベノミクスの成果への「忖度(そんたく)」でしょう。 GDPの統計においても、推計値の発表前には政府自民党の幹事長に対して、内閣府の幹部から内々の報告がある習慣であり、そのとき「鉛筆舐め」が行われていたのは、広く知られています。国民所得でもあるGDPの上昇率が高くなると、政権の支持が上がるからです。経済統計には、政治性が混じっています。 あらゆる統計には、標本を抽出するサンプリングにともなう誤差があります。サンプリング法では、ランダム抽出したデータから、母集団(全体)を推計します。そのとき推計の誤差が出るのです。 (注)政府統計で5300万世帯の全数が調査され、誤差がないのは、5年に1度の国勢調査だけです。調査員1人が50から100世帯を受け持つと、費用は、1回で650億円もかかるという。調査員の費用が大きいため、2010年からは、調査員に手渡しするか、郵送に変わっています。 その誤差は、「{(回答比率×(1-回答比率)}÷サンプル数」の結果の平方根をとって2倍したのものです。 サンプルのYes、Noの比率が50%付近のときが、母集団(全体)との誤差は、もっとも大きくなります。… … …(記事全文14,015文字)