■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ <1ヶ月にビジネス書5冊を超える知識価値をe-Mailで> ビジネス知識源プレミアム(週刊:648円/月):Vol.978 <978号:新自由主義への叛乱が世界の潮流になった> 2018年12月12日:経済と政治を決める基底のイデオロギー ウェブで読む:https://foomii.com/00023/2018121310000050513 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ホームページと無料版申し込み http://www.cool-knowledge.com 有料版の申込み/購読管理 https://foomii.com/mypage/ 著者へのメール yoshida@cool-knowledge.com 著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ おはようございます。フランスでは、反マクロン政権の大規模なデモが起こっています。50年前の、フランスのゼネストからの5月革命(大衆の蜂起)と、世界に広がった学生運動を想起させます。しかし、その規模は、団塊の世代が担った当時より小さい。 当時は、米国での反ベトナム戦争、中国は毛沢東の文化大革命、日本では全共闘による大学紛争と、既存の体制への世界的な反乱が、「どんな体制を作るかという方向性を示すリーダー」をもたないままに起こっていました。先を想定しないため、結果は「投石での打ち壊し」に終わりました。 発端は、フランスの大学での、運営の民主化運動でした(1966年)。フランスでは、学生運動が、労働者階級の叛乱と連結しています。英仏は、「貴族制、階級制」を隠然とではあっても強固に残す社会です。階級の登竜門が、有名大学です。欧州は日本よりはるかに学閥主義です。 ・大衆の人気を得ることを目的としたポピュリズムとされるトランプの関税政策と反中国、 ・英国のEU離脱をめぐる、国論の分裂、 ・支持が減っている、ドイツのメルケル首相の党首明け渡し、 ・規制緩和と民営化を推進した小泉改革から、 ・今は勢いが鈍ったアベノミクス、 ・そしてカルロス・ゴーンの高額報酬への、検察と他の取締役が駆られている反感に、共通の底流があるのか。 本稿では、これをテーマにします。イデオロギーとなった経済思想は、思いのほか強く、われわれの日々の判断・行動・選択を、無意識の部分で左右しているからです。 (注)「イデオロギー」とは難しい概念のものですが、われわれの判断と行動を制約している観念や思想のことでしょう。思想とは、人間が、自分と環境についてもつ論理的にまとめた考えです。 イデオロギーは、人の観念(考え)にもとづきますが、中立的な科学は、観念ではなく、現象となった事実に基づきます。科学は、事実をもとにした、自然(対象)の原因と結果の原理を、数量的に追及するものです。… … …(記事全文15,167文字)