… … …(記事全文6,214文字)シンガポール在住FPの花輪陽子です。米国での粘着質なインフレとトランプ政権の強硬な貿易政策により、1970年代に米国を悩ませた低成長・高インフレ、スタグフレーションのリスクが議論されています。
アメリカ経済の先行指標として注目されるミシガン大学消費信頼感指数が2月21日に発表され、先月から大幅に悪化し、21日のニューヨーク株式市場はダウ平均株価が1.69%急落しました。
そんな中、金価格が3000ドルに迫るなど今年に入ってから急騰しています。2024年第3四半期以降の世界の中央銀行による金購入の潮流や、トランプ政策の不確実性から生じる再インフレリスクなどが金価格上昇の基本的な支えとなっているようです。
世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏に2月7日に取材をしました。この価格でもまだ貴金属を購入してもよいかという質問に対して、全ての人がポートフォリオに金や銀を入れるべきだと言っていました。
「貴金属への投資はタイミングが合えば2倍になることもあります。しかし、それが目的でないとしても、金と銀は絶対に所有すべきです。なぜなら私たちの歴史の中でどこの国でも金と銀は 混乱の時代の人々の安全な避難所だったからです。そして、それは歴史を通じて世界中で認められてきたのです。」
スタグフレーション下では通貨価値が下がるために、金などの貴金属への投資や不動産を持つなどの投資が一般に有効とされています。
ただし、不動産投資をする際にも景気が悪くなると家賃滞納リスクなども増えたり、売却までに時間を要する場合もあるために注意が必要です。