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ここまで書いたら殺される!? メディアが絶対報道できない「裏話」

上村史朗(ブログ「夢と勇気とサムマネー」運営)

上村史朗

令和米騒動の真相(2)

前回、米は流通経路のどこか(おそらく農協や卸売業者)に積み上がっており、令和の米不足騒動は意図的に作られたものだと指摘した。だが、日本の米の生産量が減少し続けているのは事実だ。最大の原因は日本政府が50年以上続けてきた「減反政策」だ。

 

 

●米不足の元凶「減反政策」

 

減反政策の話をする前に、前回の記事で「『作況指数が101なのに不作なはずがない』という経済評論家の主張は半分正しく半分間違いだ」と書いたことについて説明しておきたい。

 

前回述べたように、作況指数とは水田10a当たりの収穫量が平年と比べて多いか少ないか(豊作か不作か)を示すもので、日本全体の米の生産量とは無関係だ。つまり、減反政策により米の作付面積が減少して日本の生産量全体が減っていても、天候に恵まれて米の出来が良ければ、作況指数は100以上の「豊作」となるのだ。

 

下は1992年以降の作況指数の推移だ。「平成の米騒動」が起きた平成5年(1993年)の作況指数74を除き、どの年の作況指数もほぼ100だ。だが米の生産量は減少し続けている。

 

<各年の米の作況指数は100前後だが、日本の生産量は下がり続けている>

テーブル自動的に生成された説明

 

「昨年の作況指数は101だから不作なはずがない」という指摘は、単位収穫的には確かに不作ではないが、昨年の米の生産量が前年比9万トン以上減っていることは作況指数には表れない。つまり、経済評論家の「不作ではなかった」という指摘はその通りだが、作況指数をもって米は不足していないと判断するのは間違いなのである。

 

さて減反政策だが、1970年以降、日本人の食生活の変化により米の消費量が減少する中、国は米の価格を維持するために米の生産量を減らす「減反政策」をとり続けてきた。

 

<減反政策> 

 

減反政策により、日本の米生産量は1967年の1,426万トンをピークに減少の一途を辿っている。

 

<1965年~2007年 日本の米の生産・消費量の推移>

グラフ, ヒストグラム自動的に生成された説明

 

減反政策は2018年に廃止されたことになっているが、キヤノングローバル戦略研究所の山下研究主幹によると、廃止は表面的なもので、実質的な減反政策は続いているという。

 

<2024年8月18日 毎日新聞>

テキスト自動的に生成された説明

 

<2024年8月26日 元酪農家しゅん氏>­

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション自動的に生成された説明

https://x.com/PoppinCoco/status/1828063356617637944

 

そのため、米生産量は現在も減少し続けている。

 

<2012年~2022年 日本の米の生産・消費量の推移>

グラフ, 折れ線グラフ自動的に生成された説明

 

昨年(2023年)は前年比1.4%減の661万トンと過去最少で、生産量のピークだった1967年の1,426万トンの半分以下にまでなっている。需要量と供給量がほぼ同値のため、ちょっとしたことで需給バランスが崩れると今回のような騒ぎになってしまうのだ。

 

<2023年11月11日 日本農業新聞>

グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション, メール自動的に生成された説明

 

「米価格の暴落を防ぐため、米農家を守るために、減反政策は仕方ない」という意見もある。だが、欧米では、農家に農産物を大量に生産させて安く流通させ、輸出も積極的に行い、農家には国が直接補助金を払って価格差を解消している。この方法は、国全体の食糧需給率アップにもつながり、国防の観点からも理に適っている。

 

<欧米では農産物が大量生産で安くなっても農家が困らないよう国が直接補助金を支給している>

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション自動的に生成された説明

 

ところが日本はその真逆の農業政策を50年以上続けているのだ。

 

<日本の米農政>

ダイアグラム, タイムライン自動的に生成された説明

 

日本は、国民、農家、国の誰にとっても好ましくない「三方一両損」政策を、食糧危機が顕在化しつつある中、続けているのである。

 

 

●「食糧は武器」

… … …(記事全文3,185文字)
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