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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.675:認知症の進行を遅らせるFDA承認の「レカネマブ」は夢の新薬か?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.675 2023/07/04          認知症の進行を遅らせる     FDA承認の「レカネマブ」は夢の新薬か?      ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230704090000111060 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-110968.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  今週、アメリカのFDA(米食品医薬品局)の発表次第で、製薬大手エーザイの株価がジャンプアップする公算が大だ。 エーザイと米医薬品大手バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が、正式承認される可能性が高いからだ。  認知症に関しては、これまでさまざまな進行を遅らせるクスリが開発されてきたが、「レカネマブ」はどうやら本当に効果があるようだ。  はたして、認知症は克服可能なのか? 今回は認知症治療の最前線をレポートしてみたい。 [目次] ────────────────────────────── ■理想は「PPK」。認知症だけにはなりたくない ■「レカネマブ」が正式承認される可能性は? ■エーザイとバイオジェンの再挑戦 ■原因物質の「Aβ」を脳内から除去 ■最終治験では27%の人に改善が見られた ■日本で承認は? 薬価はどうなるのか? ■現行薬は「期待される」域を出ていない ■進行具合から見た認知症の4段階 ■発症の将来リスクがわかる2つの検査 ■「レカネマブ」に続く「ドナネマブ」 ────────────────────────────────── ■理想は「PPK」。認知症だけにはなりたくない  私のような高齢者にとって、最大の不安は、いつまで健康でいられるかということ。そして、このまま認知症にならずに、穏やかに死ねるかということである。人間誰もが死ぬのだから、死そのものを恐れても仕方ない。ただ、どんな死に方をするかわかないことが不安だ。  とくに、認知症になって、自分が人間であることすらわからなくなって死んでいく。それだけは耐えられない。母がそうだっただけに、その姿を思い出すと、切にそう思う。できるなら、理想とされる「PPK」(ピンピンコロリ)で、直前まで元気でスッと逝きたい。  だが、それができるのは10人に1人だ。多くの高齢者が要介護生活のなかで死んでいくという。これに認知症が加わったら、本人も周囲も悲惨なことになる。  2020年時点で、日本における65歳以上の認知症患者数は約602万人、2025年には約675万人になるとされている。これは有病率18.5%で、高齢者の5.4人に1人が認知症ということである。さらに、年齢が進んで80歳代になると、有病率は30%を超える。  となると、歳を重ねるたびに、認知症に対する不安は募っていく。 ■「レカネマブ」が正式承認される可能性は?
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