━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.674 2023/06/27 「プリゴジンの乱」の行方は? 日本の報道ではわからないロシアの現実 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230627090000110765 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-110674.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ もう、いい加減にしてほしい。そう誰もが思っているウクライナ戦争。そこに、突然起こった「プリゴジンの乱」に色めき立った人も多いのではないだろうか? しかし、この乱はわずか1日で終演してしまった。いったいなにがあったのだろうか? これまでの報道、専門家の分析では、まったくわからない。常々思うが、いまの日本メディア、専門家は、現実を見る目、洞察力に欠いている。 ロシアはあなたが思っているような国ではない。ロシアは世界最大のマフィア国家だ。 [目次] ────────────────────────────── ■居場所をつかめなくなったプリゴジン ■法の支配、人権はない「赤い帝国」のまま ■市場経済導入の混乱でマフィアが台頭 ■売れなかった『ロシアン・ゴッドファーザー』 ■ロシアのGDPの40%はマフィアが稼ぐ ■ウクライナはロシアンマフィアの巣窟 ■プーチンの汚れ仕事を一手に引き受ける ■溺愛の一人娘とバフムートの激戦が鍵? ■ウクライナ戦争後に続々と国外に脱出 ■電子令状になって徴兵忌避脱出が困難に ────────────────────────────────── ■居場所をつかめなくなったプリゴジン 2023年6月26日現在、メディアはプーチン政権に対して反乱を起こしたワグネルの代表エフゲニー・プリゴジン(62)の居場所が掴めないと騒いでいる。 モスクワまで200キロのところで、ワグネル部隊は一転して引き返し、プリゴジンはその後「ロシアで血は流したくなかった」とSNSに投稿したが、発信先がどこかは不明だという。 欧米メディア、ロシアメディアの報道によると、「反逆者は厳しく罰する」としていたプーチンは、プリゴジンを許し、隣国ベラルーシの大統領アレクサンドル・ルカシェンコが仲介に入って、プリゴジンはベラルーシに亡命することになったという。 つまり、口には出さなかったが、誰もが期待していたロシアの内戦、それによるプーチン政権の崩壊は回避されたわけだが、なぜ、こうなったのかは皆目わからない。 テレビに出てくる専門家は、「いずれにせよ、これでプーチン大統領の求心力は弱まり、ウクライナ戦争への影響は避けられないでしょう」などと言っているが、果たしてそうだろうか? プーチンもプリゴジンも謀略を得意とし、本当のことなど決して言わない人間だ。 ■法の支配、人権はない「赤い帝国」のまま… … …(記事全文6,640文字)