━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.669 2023/05/23 サラリーマン社会崩壊! 「人材流出国」「移民輸出国」になったニッポン ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230523100000109399 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-109318.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本人が日本を捨てる。そんなことが起こるはずがないと思っていた政府や旧世代、そして保守系大手メディアは、いま慌て出している。なぜなら、彼らのアタマのなかでは、いまだに日本は「素晴らしい国」だからだ。 しかし、給料が安いうえに税金が高い。いくら働いても報われないうえ、成果が評価されない国のどこが素晴らしいというのだろう。 そのため、若者から中高年まで、この国を出て行くようになった。この流れはもう止まらないだろう。 [目次] ────────────────────────────── ■寿司職人養成学校に生徒が殺到 ■手に職をつけて海外で稼ぎたい ■ワーホリで海外に出て行く若者が激増 ■円安と賃金安がワーホリを加速させた ■東京の高度人材の報酬は上海よりも低い ■ジョブホッピングを認めない日本 ■従来のサラリーマン社会は崩壊する ■日本の教育では「平均人間」にしかならない ────────────────────────────────── ■寿司職人養成学校に生徒が殺到 5月16日にテレビ朝日(ANN)のニュース番組で放映された『すし職人“出稼ぎ”希望で養成学校殺到 異業種から転職し米で「給料2倍」も』を見て、とうとうこうなったのかと思った。 その内容は、東京の寿司職人の短期養成学校「東京すしアカデミー」に、申し込みが殺到して、年内はキャンセル待ちというもの。受講者はほとんどが、短期間で寿司職人になり、海外で働くことを目指しているというのだ。 印象的だったのは、インタビューに応じた後藤幸子校長がいる教室の片隅に、世界各国から寄せられた求人票が貼られていたこと。それは、たとえばカナダのバンクーバー、オーストラリアのシドニーなどからのもので、いずれも日本よりはるかに高報酬である。 現在、世界的な日本食ブームに乗り、世界中で日本の寿司職人が求められている。そのため、北欧にはまったchikaさんという20代OLが、北欧移住実現のために寿司職人養成学校に通い、それを漫画エッセイにした本がベストセラーになった。 彼女は2014年から、ブログ「週末北欧部」を続け、それが『北欧こじらせ日記』という単行本およびテレビドラマになり、一昨年ついに寿司職人としてフィンランドに移住した。 じつは、私は彼女の本を全部読んでいる。 それで、一言付け加えておくと、フィンランドにかぎらず、世界中で寿司職人の求人があり、それに応募・採用されれば、海外移住が可能であり、それが海外移住のもっともてっとり早い方法の一つということである。 ■手に職をつけて海外で稼ぎたい… … …(記事全文5,665文字)