━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.668 2023/05/16 2070年人口3割減8700万人の衝撃 じつは実際はもっと深刻! ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230516090000109106 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-109027.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 先月、国立社会保障・人口問題研究所が発表した長期的な日本の人口予測が、いまもなお衝撃を持って受け止められている。「2070年3割減8700万人」がその予測だが、それは大甘予測であり、実際はそんなものではすまないというのだ。 人口減でどんどん縮む日本の国力。もはやその挽回は不可能だが、そのダメージをなんとか軽減する方法はあるのだろうか? [目次] ────────────────────────────── ■「2070年、3割減8700万人」の衝撃 ■甘すぎる出生率予測で少子化スローダウン ■ありえない外国人人口の増加 ■「意図的な予測操作ではないか」という声も ■2030年労働生産性2.5倍アップは無理 ■人口減少が招く地方自治体の崩壊 ■「地方創生」「地方移住」という愚策 ■「町おこし」は悲劇的な結末を迎える ■「村じまい」「町じまい」という「終活」 ■富山市はコンパクトシティの成功例なのか? ■それでも人口減少、日本の縮小は続く ────────────────────────────────── ■「2070年、3割減8700万人」の衝撃 先月の26日、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が発表した「将来推計人口」は、2070年に日本の人口は現在の3割減の8700万人になるというものだった。2056年には、大台の1億人を下回る。これは、前回、2017年の推計と比べると、1億人割れの時期が3年遅くなっている。ただし、出生率の見通しは、仮定値の中位のシナリオで前回の1.44から1.36に下方修正している。 これに基づくと、日本人の出生数は2059年に49.6万人と50万人を割る。すでに、出生数は2016年に100万人を割り、昨年2022年には80万人を割っている。つまり、人口減は子供が生まれなくなることで進み、それにともない、高齢者の人口の比率が高まる。少子高齢化の色がいっそう濃くなるというのだ。 具体的には、14歳以下の人口の割合は、2050年に10%を割り込む。人数で言うと、2020年の1500万人からおよそ1040万人に減る。その一方で、65歳以上の高齢者の人口の比率は2020年の28.6%から2070年には38.7%に上がる。高齢者の数は2070年に3367万人となる。これは、2020年比で200万人以上減るものの、現役世代の人口減のスピードのほうが速く、社会全体に占める高齢者の比率は高まるという。 まさに、半世紀後の日本は、老いた衰退国家となっているのだ。 ■甘すぎる出生率予測で少子化スローダウン 「2070年3割減の8700万人、高齢化38.7%」だけでも衝撃だが、そんなものではすまない。社人研の予測は大甘すぎると指摘する声がある。… … …(記事全文7,203文字)