━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.665 2023/04/25 日本の「EV敗戦」濃厚か? 上海モーターショーが示す自動車の未来図 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230425101250108324 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-108247.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これまで何度か、日本の自動車産業のEV化の遅れを憂 う記事を書いてきたが、とうとう、それが決定的と思えるときが訪れた。上海国際モーターショーである。 今回は、世界中のEVの新車の披露会となっていて、トヨタをはじめとする日本メーカーも出展しているが、まったく人気がない。中国EVの独壇場という雰囲気だと、現場で取材している記者が伝えてきた。 いずれ自動車はEVに一本化される。2025年がその最初の転換点とされてきたが、前倒しで訪れそうなムードになってきた。そうなれば、周回遅れの日本の自動車産業は追いつかず、手痛い「EV敗戦」を喫するだろう。 [目次] ────────────────────────────── ■いまや中国は世界一の自動車市場 ■EVでは日本勢はBYDにかなわない ■日本勢はいずれも新車販売で前年割れ ■中国独特のクルマのカテゴリー分け ■日米欧に勝つためのEVサポート戦略 ■最高級から激安まで4つのブランドを展開 ■小さな町工場から出発したベンチャー ■EV販売世界トップ10に中国メーカー5社 ■日本と比べものにならないドイツの危機感 ■足元の欧州市場も失いかねないドイツ ■もはやテスラ、BYDにかなわない ■2026年10モデル150万台は可能なのか? ■「イノベーションのジレンマ」に陥った ■トヨタにはソフトをつくれる人材がいない ■政治家と官僚には未来が見えなかった ────────────────────────────────── ■いまや中国は世界一の自動車市場 かつて世界には「3大モーターショー」と呼ばれる自動車の新車モデルのお披露目を中心としたフェスティバルがあった。このフェスティバルに合わせて、世界の自動車メーカーは開発を急ぎ、プレゼン、プロモーションに力を入れてきた。 その3大モーターショーとは、ドイツの「フランクフルトモーターショー」、デトロイトの「北米国際オートショー」、日本の「東京モーターショー」だった。 しかし、時代は変わった。いまや、フランクフルト、デトロイト、東京は輝きを失い、中国の2大モーターショー、「北京国際モーターショー」と「上海国際モーターショー」(北京、上海と交互に開催)のほうが、はるかに盛況になった。中国が世界一の自動車市場になったからだ。よって、この市場で売れるか売れないかが、自動車メーカーの業績に大きく影響する。… … …(記事全文10,395文字)