━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.662 2023/04/04 追い詰められたプーチン・ロシア ウクライナ戦争で分断された世界経済の今後 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230404090000107486 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-107420.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ウクライナ戦争によって世界経済の構造は大きく変化した。もはや「グローバリゼーション」は存在しなくなり、世界は分断されるようになった。 じきに、西側の支援を受けたウクライナの反転攻勢が始まれば、ロシアが奪った領土は奪還され、プーチンはさらに追い詰められていくだろう。もはやロシアは中国の支援なくしては存在できなくなった。ただ、欧州も大きく疲弊している。アメリカもインフレと金融危機に苦しんでいる。 そんななかで、ただ1国、日本政府にはまったく危機感がない。 [目次] ────────────────────────────── ■ロシア軍のドンバス奪取作戦は失敗か ■じきにウクライの反転大攻勢が始まる ■この戦争に終わりはあるのか? ■追い詰められた「戦争犯罪人」プーチン ■習近平頼みの中ロ首脳会談は失敗か ■「ポストプーチン」を見据えたしたたか戦略 ■習近平が陥った「仲介役」のジレンマ ■NATOは拡大、欧州はロシア依存から脱却 ■カーボンニュートラル推進で有利なのは中国 ■米「インフレ抑制法」の目的は中国排除 ■もはや「グローバリゼーション」は終焉した ■「欧米」と「非欧米」の明らかな違いとは? ■「キシダノシャモジ」はとんでもない愚行 ────────────────────────────────── ■ロシア軍のドンバス奪取作戦は失敗か どうやら、ウクライナ東部のドンバス地方におけるロシア軍の敗色が濃厚になってきた。さまざまな報道、SNS情報、プロパガンダなどが入り乱れているが、これまでの経過を見ると、英国の国防省の戦況分析がいちばん的確と思われる。 4月1日、英国国防省は、ロシア軍のドンバス大規模攻勢について「失敗がより明白になっている」という声明を出した。この地での要衝はドネツク州北部のバフムトで、ロシア軍とワグネルはここを陥落させようとしてきたが、あまりの犠牲の大きさに進撃できなくなっているというのだ。すでに、撤退を始めたという情報も出ている。 英国国防省の声明が出る前、チャールズ国王とカミラ王妃がドイツを訪問した。この訪問で、チャールズ国王は異例の政治的発言をした。 チャールズ国王はシュタインマイヤー独大統領主催の晩餐会の席で、ロシアのウクライナ侵攻を「言われなき侵略」と非難し、こう述べたのだ。 「われわれは自由と主権を守るためにウクライナと団結する」… … …(記事全文8,181文字)