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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.661:「半導体敗戦」より深刻! EV周回遅れによる「バッテリー敗戦」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.661 2023/03/27 「半導体敗戦」より深刻!      EV周回遅れによる「バッテリー敗戦」      ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230328090000107181 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-107125.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ EVをめぐる世界の動きが激しくなるなか、日本だけが大きく遅れている。EVシフトと再生エネルギー転換の鍵を握るのは、間違いなく蓄電池(バッテリー)である。この分野でも日本は遅れてしまっている。  もし、このまま「EV敗戦」と「バッテリー敗戦」を喫してしまうと、日本の産業は根底から崩壊してしまう可能性がある。それは、かつての「半導体敗戦」以上のダメージを日本経済に与えるだろう。  このほど、EUがEV1本化の方針を転換して、合成燃料エンジン車も認めることになった。これは日本のメーカーにとっては歓迎すべきことだが、それでもうかうかしてはいられない。  今回は、 前々回に配信した「リチウム争奪戦」に続いて、EVとバッテリーに関する現在の状況を整理してレポートしてみたい。 [目次] ────────────────────────────── ■EUの方針転換に溜飲を下げる関係者 ■手放しでは歓迎できない方針転換 ■EV1本化はなぜ推進されてきたのか? ■ドイツ自動車産業はe-fuel禁止に反対 ■イタリアやポーランドも法案に合意せず ■EV一本化への道が修正されただけ ■カーボンフットプリント義務化の狙い ■EUに続々と進出する中国電池メーカー ■中国メーカーの後塵を拝す日本メーカー ■アメリカ「インフレ抑制法」成立の影響 ■本当の目的は先端産業からの中国排除 ■日本メーカーも続々と電池生産の乗り出す ■イオンリチウム電池は21世紀の石油 ■産業クラスターがないと循環型社会はつくれない ■2030年バッテリー生産10倍増は可能か? ────────────────────────────────── ■EUの方針転換に溜飲を下げる関係者  3月25日、EUは2035年までに新車販売をすべてZEV(ゼロエミッション車)にするという方針を変更して、合成燃料「e-fuel」(イーフューエル)を使うエンジン車も認めることを表明した。  これまでのEUの方針は、日本では「2035年EV化法案」と呼ばれ、その厳格さには疑問の声が上がっていた。  ZEVは、走行時に二酸化炭素(以下CO2)などの温室効果ガスを排出しないクルマとされ、そのなかにはBEV(バッテリー電池車)やFCV(燃料電池車)などが含まれるが、EUは実態としてBEV、つまりEVのみを認める意向だった。  ところが、これに対し、なんとドイツ政府が反対の意思を表明したのである。ドイツの主張はe-fuelで動くエンジン車も認めろというもので、そうしなければ「2035年EV化法案」に反対するというものだった。
… … …(記事全文9,714文字)
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