━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.653 2023/02/14 最有力候補ディサンティスと次期大統領選 (1) ディサンティスとはいったい誰か? Who’s Who? ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230214090000105569 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-105532.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 世界の今後を考えるとき、やはり決定的な影響力を持つのはアメリカ大統領だ。長期化、泥沼化するウクライナ戦争を見て、もしアメリカ大統領がトランプだったらどうなっていただろうか?と思う フロリダ州知事ロン・ディサンティス(44)は、日本のメディアにはあまり取り上げられていない。しかし、アメリカではいま注目の的で、次期大統領の最有力候補と目されている。そのため、中国、ロシアをはじめ、世界各国が彼の調査に乗り出し、アプローチを試みている。 そこで、彼の人物像と動向を軸に、すでに始まっている次期大統領選挙について、今後、数回に分けて配信する。 [目次] ────────────────────────────── ■中間選挙後、あっという間に有力候補に! ■暗号資産で給料を受け取るという先進性 ■なぜ「ミニ・トランプ」と呼ばれたのか? ■トランプとは大きく異なるエリート学歴 ■トランプに忠誠を誓った州知事選 ■繰り返される“口撃”挑発には乗らない ■すでに始まってしまった大統領選 ■次々にトランプ支持を降りた富豪たち ■候補乱立なら「トランプが有利」との声も ■高齢者(ジイサマ)対決だけはやめてほしい ■“秘密兵器”は元キャスターの美人妻 ────────────────────────────────── ■中間選挙後、あっという間に有力候補に! 前回の2018年の知事選は0.4ポイントいう辛勝だったが、昨年11月の中間選挙知事選では、なんと18ポイントという大差をつけて圧勝。これで、一気にスターダムに駆け上ったのが、フロリダ州知事のロン・ディサンティス(Ronald Dion DeSantis)だ。 44歳とまだ若く、2年後にもし大統領になっても46歳。オバマ元大統領(就任時47歳)以来のアメリカにふさわしい、若い大統領の誕生となる。 前回の知事選の前から、「ミニ・トランプ」と呼ばれ、トランプ前大統領と同じ保守強行路線で名を売ったが、トランプとは決定的に違うことがある。 それは、一般家庭に育ち、イエール、ハーバードで学んだ秀才であること。金持ちのボンボンで、カネとコネで高学歴を手にしたトランプとは、頭のできが違う。 ただ、難点はトランプよりはるかに、演説が下手なことだ。しかし、いまやアメリカのメディアは、彼が間違いなく共和党の予備選を勝ち抜いて、大統領候補になるだろうと予測している。 私がびっくりして本気で彼に注目するようになったのは、なんと「クリプト」(crypto asset:暗号資産=仮想通貨)に理解があるとわかったからだ。ロン・ディサンティスは2022年度の州予算案のなかで、「暗号資産に優しいフロリダを実現する」という項目を掲げ、暗号資産やブロックチェーン推進に、70万ドルの予算を割り当てた。… … …(記事全文8,324文字)