━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.652 2023/02/07 偵察気球で緊張する米中関係! 世界一の「監視国家」になった中国の実態 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230207090000105293 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-105261.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 中国の偵察気球がアメリカ本土上空を飛行したことで、米中関係が緊張化している。それにしても、なぜ中国は、こんなすぐバレる方法を取ったのだろうか? いまや世界一の「監視国家」と言える中国は、人類と国家に関するあらゆる情報を集めている。もはや、中国人自身にプライバシーはなくなった。中国の監視社会は、すさまじく進んでいて、やがて世界中に広がってしまうかもしれない。 もちろん、監視社会に関してはアメリカも同じ傾向にある。やがて日本もそうなる可能性がある。今回は「監視国家」中国の実態に迫ってみたい。 [目次] ────────────────────────────── ■世界中に飛来している中国の偵察気球 ■監視されるのは自然でされるほうが悪い ■古代から行われてきた「戸籍」による監視 ■秦の時代に逆戻りした「十戸長」制度 ■監視社会では誰もが信号を守る ■顔認証と電話トラッカーで本人特定は完璧 ■アメリカにもある大量監視システム ■中国は本当に「幸福な監視国家」なのか? ■ハーバードの女性教授による「監視資本主義」 ■いずれ新しいルールがつくられるのだろうか? ────────────────────────────────── ■世界中に飛来している中国の偵察気球 中国の偵察気球は、今回、たまたま発見されて撃墜されたのか、それともアメリカはこれまで知っていたにもかかわらず、知らないふりをして泳がせてきたのかどうかはわからない。 ただ、中国の偵察気球の飛来は、今回が初めてではない。 2月3日、アメリカ国防総省のライダー報道官は声明を発表し、アメリカ本土の上空を飛行しているものとは別の中国の偵察用の気球が中南米を飛行していることを明らかにした。また、『ワシントン・ポスト』紙は、情報機関の関係者の話として、同じような気球が以前、ハワイとグアムの上空でも目撃されており、気球には誘導装置が搭載されていると報道した。 さらに、日本でも2019年から2020年にかけて鹿児島県や宮城県で白い“謎の気球”が目撃されたが、これも中国の偵察気球と見て間違いない。 つまり、中国は世界中に偵察気球を飛ばして、情報収集、スパイ活動を行なっているのだ。 中国外務省は、気象などの科学研究を目的とした民間のものであり、「誤ってアメリカ領空に入った」と説明したが、それは真っ赤な嘘である。 それにしてもなぜ、中国は、こんなすぐにバレるとわかるような手段で、偵察活動を行なっているのか? 疑問に思わざるをえない。… … …(記事全文8,108文字)