━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.648 2023/01/10 世界の街角から消えた日本人 いよいよ日本は本当に没落するのか? ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230110090000104146 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-104130.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この年末年始、私は3年ぶりに国外に出て、すでに3週間、北欧にいる。このメルマガも、まだ滞在中のフィンランド、ヘルシンキで書いている。 久しぶりに国外に出て改めて思ったのは、日本のプレゼンス(存在感)のなさだ。どこの国の人間も「日本は素晴らしい国だ」と言う。先のサッカーW杯の予想を超えた健闘を、ヨーロッパの人間たちはみな褒める。しかし、それだけだ。 なにしろ、日本発のニュースがまったくない。そのうえ、どこにも日本人観光客の姿がない。これは、ヨーロッパに限らず、アメリカ(ハワイ、グアムも含む)、オーストラリア、アジア各国など、世界中で起こっている。 日本人観光客に出会わない街角を歩いて、本当にイヤな予感がする。このまま日本は、本当に没落していってしまうのだろうかと-----。 [目次] ────────────────────────────── ■まったく見かけない日本人観光客 ■出入国規制が緩和されても効果なし ■「海外旅行者は前年比7.5倍」のトリック ■「お正月と言えばハワイ」は完全消滅 ■ハワイはいいほう。グアムは観光産業が壊滅 ■やがて歯止めが利かなくなる金利上昇 ■国債の格下げによって国は信用を失う ■現状認識も治療法も間違えている専門家 ■社会主義の国は経済成長をしない ■先進国転落からハイパーインフレへ ────────────────────────────────── ■まったく見かけない日本人観光客 欧州全体では暖冬。とくに南欧では、たとえばスペイン南部のマラガでは気温が25度を超え、ビーチで泳ぐ人も出たという。フランスもイタリアも冬とは思えない暖かさというが、北欧はやはり寒い。本当に寒い。 ヘルシンキは先週末、最高気温がマイナス10度を下回った。 とはいえ、これはいつものことで、フィンランドの場合、サンタクロースとオーロラの国だから、年末年始になると世界中から観光客がやって来る。そのなかには、もちろん、日本人観光客も数多くいる。 サンタクロースの故郷ロバニエミに向かう観光客は、ヘルシンキからVR(フィンランド国鉄)の夜行寝台特急「サンタクロースエクスプレス」で、北のラップランドを目指す。 しかし、ここ数日、ヘルシンキ中央駅で日本人観光客を1人も見かけなかった。昨年暮れ、夜行ではないロバニエミ行きのVRのインターシティ特急に乗ったが、そのときも日本人は見かけなかった。日本人かと思った若いカップルは韓国人だった。 ヘルシンキ市内でも、日本人観光客を見かけない。日本人観光客が行くのは、有名デパートの「ストックマン」、メインの公園通り「エスプラナード」、港の前の「マーケットスケア」、もっとも有名な観光スポット「ヘルシンキ大聖堂」、人気ブランド店の「マリメッコ」や「イッタラ」、人気のカフェの「アアルト」や「エクべり」など。しかし、どこに行っても日本人観光客を見かけなかった。… … …(記事全文6,596文字)