━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.647 2023/01/03 次の投資先はインドとの声強まる。 中国を抜いて「世界の工場」に!は本当か? ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20230103090000103653 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-103647.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 昨年来、世界の投資家の目がインドに向けられるようになった。コロナ禍からの回復過程で、経済成長が目覚ましいからだ。ウオール街では、いまやインド株投資がトレンドになっている。 かねてから「次の世界の工場はインドだ」という声があったが、それが現実化するのは予想より早くなったと言われている。はたして、インドの経済成長はホンモノなのか? インド経済の強みとはなにか? 2023年の年頭にあたって、次の“投資フロンティア”インドについて考察してみたい。 [目次] ────────────────────────────── ■じつはしたたかで商売大好きなインド人 ■インドは世界最大の移民送り出し国 ■個人消費の急回復で脅威の成長を遂げる ■直近の数値では「BRICs」の盟主はインド ■長年中国を上回れなかったインド ■アップルが「iPhone14」をインドで製造 ■あらゆる製造業がインドに集積中 ■日本を抜き世界第3位になる自動車市場 ■株価は絶好調だが通貨ルピーは最安値更新 ■人口ボーナス期で成長は約束されている ■地球温暖化がただ一つ、最大の懸念 ■空気を読まないのでグローバル経済に最適 ────────────────────────────────── ■じつはしたたかで商売大好きなインド人 どちらかと言うと、日本人はあまりインド人が好きではないと、私は思っている。 最近の例で言うと、ウクライナ戦争で西側諸国がロシアへの経済制裁を強めるなか、インドは逆にロシアとの貿易、経済関係を強めて、安く仕入れたロシア原油を精製して転売したりしている。こういった立ち回りを、日本人はとくに嫌うからだ。また、かつては英国領だったのに、なぜ「親ロ」なのかと、苦々しく思っている人も多いと思う。 そこで、本題に入る前に、ちょっとだけ触れておくと、じつはインドは1947年に独立後、社会・経済モデルをソ連に求めて国家を運営してきたという歴史がある。つまり、れっきとした「親ロ国家」なのである。なにしろ、インド軍の兵器は、半分以上がロシア製だ。 それなのに、冷戦時代は、東西のどちらの陣営にも属さない「第3世界」(非同盟・中立)の盟主を標榜していたのが、インドである。 つまり、インド人というのは、したたかな人々であり、私の見方では、中国人と同じように、カネにこだわる人々である。東南アジアに行けば、ほとんどの国で派手に商売をしているのは、中国人とインド人だ。… … …(記事全文7,915文字)