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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.642:ポルトガルが示す日本の未来:繁栄を誇った国家はなぜ衰退していくのか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.642 2022/11/29 ポルトガルが示す日本の未来:     繁栄を誇った国家はなぜ衰退していくのか?      ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20221129090000101984 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-102006.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  もはや、日本経済が1980年代のような輝きを取り戻すことはありえない。「もう日本の復興はない」と、誰もが思う事態が進行している。じきに今年も暮れるが、今年はまさにそれがはっきりした年だったと言っていいのではなかろうか。  そこで、歴史をひもといてアナロジーを探すと、かつての世界帝国ポルトガルに行き当たる。なぜ、繁栄を誇った国家は衰退するのか?  その理由はいくつか考えられるが、はっきりしているのは、 経済が衰退すれば国民性も変わるということだろう。いまの日本人は、バブル時代にはあった「イケイケドンドン」「モーレツ」「24時間戦えますか」などと言われた気質を完全に失っている。身の回りの狭い世界をそのまま受け入れ、おとなしくおだやかに暮らすことで満足しているように見える。 [目次] ────────────────────────────── ■バーゲンセールと化した日本の不動産 ■日本に進出して拠点を構え日本人を雇う ■ワンコイン弁当も買えない「弁当男子」が激増 ■スタートアップはアメリカの20分の1 ■繁栄と貧困を分けるのは政治経済の制度 ■民主制による資本主義自由経済が繁栄をもたらす ■統制経済、社会主義経済となって衰退へ ■コスト計算ができない愚かな原発停止要請 ■ありえない公的資金による民間企業の救済 ■「日本が強い国」は単なる希望的観測 ■いったん先進国になった国は転落しない ■歴史のアナロジーならポルトガル ■震災後まったく変わってしまった国民性 ────────────────────────────────── ■バーゲンセールと化した日本の不動産  円安が急激に進んだので、外国資本による「日本買い」が注目を集めている。外国人観光客による「爆買い」「インバウンド消費」が戻ってきたという話ではない。中国人を中心としたアジアの富裕層が、日本の不動産を買い漁るようになったという話である。  正直、ここまで円安になると、外から見れば、日本の不動産はまさにバーゲンセールの様相を呈している。  たとえば、大阪。外国人観光客に人気の大阪・黒門市場から歩いてわずか30秒の所にある11階建て30室のマンションは、1棟まるごと7億5000万円で中国人に買われようとしている。先日、テレビ(FNNプライムオンライン)でその状況を報道していたが、関西には中国人の投資家向けに新築物件を販売している不動産会社がいくつかある。  現在、世界でただ一国と言える厳しいコロナ鎖国をしている中国なので、投資家の来日は難しい。しかし、リモートによる内覧で、物件は売れていくという。  人気なのは京都もそうだ。こちらは、歴史に裏付けされた物件が人気で、古民家、日本旅館、町家などが人気を集めている。いまや日本の伝統を買い漁っているのは日本人ではなく、外国人である。
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