━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.641 2022/11/22 防衛費増強が虚しくなる 自衛隊の絶望的な「ドローン」立ち遅れ ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20221122090000101983 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-102005.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 台湾有事の緊迫化、北朝鮮のミサイル連射、ウクライナ戦争などを契機として、日本はついに防衛費を増強することになった。政府は、GDP比2%を目標とし、今後5年間、現行の防衛予算を倍増させる。その額、約48兆円という。 しかし、そのカネをいったなにに使うのだろうか? いま議論されている「ミサイル防衛」「敵地攻撃能力」などは、もはや時代遅れではないだろうか。ウクライナ戦争でのドローンの大活躍を見るにつけ、かつての軍事常識が通用しないことをつくづく思い知る。 いまや、戦争の主役はドローンになった。 ところが、自衛隊はこれまでドローンを軽視、まったくと言っていいほど導入していない。これでは、日本防衛などできるわけがない。 [目次] ────────────────────────────── ■ドローンがウクライナ戦争の主役になった ■黒海艦隊に大打撃を加えた水上ドローン ■映像には爆発の様子や閃光が写っていた ■巨額の建造費、訓練された乗組員は無意味 ■安価で人命を尊重できるという2大利点 ■もはやドローンによる攻撃は当たり前に ■世界市場では中国がダントツのシェアを ■ミサイルとドローンは二者択一ではない ■中国は必ずドローンで攻撃を仕掛けてくる ■防衛費増額5年で48兆円でなにをやるのか ■ミサイルよりもはるかに安くて効果的 ■アメリカは核保有国とは直接戦争をしない ■コストに見合った有効な抑止力を持つべき ────────────────────────────────── ■ドローンがウクライナ戦争の主役になった ウクライナ戦争は、これまでの軍事常識を次々に変えている。ハンディタイプの対戦車ミサイル「ジャベリン」などが戦車と歩兵部隊による進軍を阻止できること、また、ドローンが兵器として圧倒的に優秀なことなどが、次々に明らかになっている。 とくにドローンにいたっては、連日のように、その働きが報道され、たくさんの動画がSNSにアップされている。そこで私も、そのうちの何本かを興味津々で見て、そのすごさに正直驚いた。 ウクライナ軍が攻撃ドローン「R18」で爆弾を投下し、地上のロシア軍がうろたえる様子。イランがロシアに提供したという自爆型ドローン「シャヘド136」(いわゆるカミカゼ・ドローン)が自爆する様子。さらに、アメリカが提供した「ドローンバスターズ」の電波妨害によって、ロシアのドローンが機能不全に陥る様子などを見ると、これがいまの戦争だと改めて認識させられる。… … …(記事全文7,469文字)