━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.636 2022/10/25 円安阻止で為替介入する愚策をやめないと、 日本は英国より酷いことになる! ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20221025090000101091 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-101125.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これまで、何回、円安問題について触れてきただろうか?もういい加減にしてほしいが、日本政府は先週から今週にかけて、またもドル売り円買い介入を繰り返した。 これは、とんでもない愚策だ。量的緩和の続行とインフレ対策で円をばらまき、その一方で円を買っているのだから、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなもの。 財源なしで大型減税をぶち上げ、国債の投げ売りを招いた英国より酷い。英国は、市場の反乱にあって首相が退陣するという騒動になった。しかし、日本の場合、この愚策を続けると、英国とは比べ物にならない市場の反乱にあうだろう。 私たちの暮らしは、地に堕ちる。 [目次] ────────────────────────────── ■タバコ1箱20本が2457円という英国 ■いったい誰が英国首相になりたいと思う? ■外貨準備を次々と吐き出して円買い介入 ■外貨準備を切り崩すとどうなるか? ■ブレーキとアクセルを同時に踏んでいる ■アベノミクスが日本経済の体力を落とした ■日本はこれまで放漫財政を続けてきた ■財源の裏付けなしのバラマキに金利が高騰 ■日本では市場の「ノー」が起こらない ■岸田政権も財源なしのバラマキを続ける ■30年前の英国で起こったことが日本で起きる ────────────────────────────────── ■タバコ1箱20本が2457円という英国 先週、私の後輩の英国在住のジャーナリスト、森昌利くんが、SNSに次のような一文を投稿した。 《昨日、ものすごい衝撃を受けたこと。ロンドンのユーストン駅で水を買うためにレジに並びました。すると僕の1人前にいた女性がタバコを所望したのです。で、それが1箱14ポンド25ペンスという殺人的な値段だったのですよ。今日付のMUFGの外国為替相場を見ると、1ポンド172.47円。となると〜うげえ〜!! 2457円(小数点切り捨てで)。なんの変哲もない20本入りのタバコでした。まあ駅での相場はやや高めですが、それにしても。47歳で禁煙に成功していて良かった。1日に2箱行く日もあるヘビースモーカーだったので、今も吸っていたら大変なことになっています。タバコ代1日5000円。やっていられないですね(笑)》 英国のインフレはすさまじい。ついに10%超えた物価高騰で、暮らせなくなった国民の数が日毎に増えている。 財源なしの減税、バラマキ政策を撤回してリズ・トラス首相が退陣したとはいえ、事態はなにも変わっていない。消費者団体「Which?」は、19日、国内世帯の半数が食事回数を減らさざるを得なくなっているとメディアに訴えた。 ■いったい誰が英国首相になりたいと思う?… … …(記事全文7,767文字)