━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.634 2022/10/11 どうなる日米経済? 目前となった「米中間選挙」の結果予測 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20221011090000100496 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-100533.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 11月8日の米中間選挙まで、1カ月を切った。米メディアは情勢予測でかまびすしいが、日本での報道は例年と比べて低調だ。 それもそのはず、日本の政治・経済はいまやまったくの不振で、アメリカのことなどかまっていられないからだろう。しかし、選挙結果を踏まえたバイデン政権の行方次第で、日本の政治・経済は大きな影響を受ける。 現在までの世論調査や報道を見ると、下院は野党・共和党が多数派(マジョリティ)を奪還する模様で、上院は拮抗している。ただ、世論調査はあてにならず、民主党は「トリプルブルー」(大統領、下院、上院)を維持するのではないかと私は見ている。 [目次] ────────────────────────────── ■ジンクス通り民主党が議席を減らす ■経済政策が不評でバイデン政権は不人気 ■やはり「経済・インフレ」が最大の争点に ■「中絶問題」で民主党が形勢逆転か? ■急速に低下したトランプ前大統領の人気 ■ニューヨーク市が移民激増で非常事態宣言 ■不法移民の数は400万人を超えている ■「アノマリー」で中間選挙後は株価上昇 ────────────────────────────────── ■ジンクス通り民主党が議席を減らす 中間選挙でまず注目されるのが、政権与党が議席を減らすことが多いという過去のジンクスだ。政権政党が上院と下院で議席を増やすことができたのは、過去70年で2回しかない。前回の2018年は、ジンクス通り、トランプ大統領(当時)の与党・共和党が上下両院ともマジョリティだった(=トリプルレッド)が、上院ではマジョリティを維持したものの、下院ではマイノリティに転落している。 現在、バイデン大統領の与党・民主党は、上下両院ともにマジョリティを占めている(=トリプルブルー)が、ジンクス通りなら、上院はマジョリティを維持できても、下院はマイノリティに転落する。もしかしたら、上院でもマイノリティに転落する可能性がある。 実際、今日までの世論調査の結果を見ると、こうなるのは必至のようだ。なにしろ、バイデン大統領の支持率はやや持ち直したものの40%台前半で低迷している。 中間選挙では、下院(任期2年)は、全議席(435議席)が改選される。現在の議席数は、民主党221、共和党212、欠員2となっている。 上院(任期6年)は、2年ごとに定数100のうち3分の1ずつが改選され、今回は補欠選挙の1議席を含め35議席が争われる。現在の議席数は、民主党50、共和党50で並んでおり、議長を務めるのがカマラ・ハリス副大統領のため、民主党がマジョリティだ。 ■経済政策が不評でバイデン政権は不人気 では、米メディア、世論調査は、今回の議席をどのように予測しているのか?… … …(記事全文6,164文字)