━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.633 2022/10/04 不動産バブル崩壊、食糧危機、習近平続投---- 中国が抱える「3大リスク」とは? ウェブで読む:https://foomii.com/00065/20221004090000100230 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-100269.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 中国はいま、「国慶節」の大型連休の真っ最中で、例年なら、人々は帰省をしたり、旅行をしたりして休暇を楽しむが、今年はまったく違っている。 なぜなら、コロナ規制がいまだに続き、そのために経済は低迷したままだからだ。そこに、不動産バブルの崩壊、気候変動による大洪水と旱魃による食糧危機が重なり、さらに、10月16日からは習近平体制が3期目に入るのが確実な共産党大会がある。 つまり、いまの中国は不安だらけだ。 それなのに、中国がいまにも台湾併合をするようなことを日本の保守派、右派が煽って、防衛費増強を主張していることが私には信じられない。プーチンのロシアを見れば明らかなように、習近平・中国がそんな愚かな選択をするとは思えない。 今回は、いま中国が直面する危機を見据え、今後の中国がどうなるのかを展望してみたい。 [目次] ────────────────────────────── ■例年と違う「国慶節ウイーク」の北京 ■なぜ中国は「ゼロコロナ政策」を続けるのか? ■中国恒大集団に続き碧桂園控股が危機に ■中国人はおカネより不動産を信じる ■不動産バブルはなにも残さない不毛バブル ■「3000年に1度」という大洪水と大旱魃 ■「食糧買い占め」批判を否定する中国政府 ■「在庫が豊富なので食糧危機はない」は本当か? ■第3次習近平体制で決まる中国の未来 ■経済力が落ちた中国に「台湾有事」の余裕なし ────────────────────────────────── ■例年と違う「国慶節ウイーク」の北京 中国では10月1日から、建国記念日に当たる「国慶節」の大型連休が始まっている。しかし、今年の国慶節ウイークの北京は、例年とは違っている。 それは、政府がいまだにコロナ規制を続けていること。それにより経済が低迷したままになっていること。さらに、10月16日からは、節目の第20回共産党大会があることなどで、人々の動きがほとんどないからだ。 実際、この時期、地方から北京にやってくる「お上りさん」は多いが、今年も昨年同様少ない。北京在住の私の知人は、こう語る。 「北京駅は混雑していませんね。政府はいまだに省をまたぐ移動の自粛を呼びかけています。飛行機も高速鉄道も、48時間以内のPCR検査の陰性証明を提示しないと乗れません。だから、行楽といっても市内ですますのです。お上りさんは、いるにはいますが本当に少ない」 北京市内では、各所に第20回共産党大会の記念看板が建てられているが、人々は気にも止めていないという。 「すでに習近平が続投して3期目に入るのが既定路線ですから。関心は、取り巻きの人事がどうなるか、それで経済がどうなるかだけです」… … …(記事全文6,827文字)