━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.631 2022/09/20 先進国から転落中の日本の「辺境、あるある」 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022092009000099592 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-99637.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いよいよ、1週間後の9月27日に、安倍元総理の「国葬」が行われる。批判続出のなかで強行されるこの葬儀は、日本の凋落を象徴するイベントになるのは間違いない。 なにより、エリザベス女王の葬儀と比べられ、そのみすぼらしさが世界に知れ渡る。 いったいなぜ、日本はここまで凋落してしまったのだろうか。日本はいま「先進国から転落中」というより、世界の「辺境国家」「ガラパゴス国家」になってしまっている。 そこで今回は、日本の「辺境、あるある」をまとめて取り上げてみたい。 [目次] ────────────────────────────── ■日本の玄関、成田空港は「辺境空港」か? ■「コロナ鎖国」で「ジャパン・パッシング」 ■止まらない円安、対ドル下落率で一人負け ■もうベトナムの技能実習生もやって来ない ■ともかく、日本はなにもかも安すぎる ■いつまでたっても女性が輝けない国 ■誰一人取り残さないデジタル化の“愚” ■宿題は紙、タブレット、PCが使えない ■わざと英語を話させない教育をしている ■いくらでも挙げられる「辺境、あるある」 ■海外観光地に日本人がいないという衝撃 ■「タコツボ文化論」と「ゆでガエル理論」 ■メディアのせいで「辺境」が可視化されない ■いずれ“破局的な日”がやって来る ────────────────────────────────── ■日本の玄関、成田空港は「辺境空港」か? なんといっても、日本の辺境ぶりを感じるのは、成田空港である。これほどみすぼらしい国際空港は、世界の主要国の首都にはない。毎回、成田を利用するたびに思うのは、ここが日本の玄関だろうか、どこか辺境の国のローカル空港ではないかということだ。 たとえば、シカゴのオヘア空港、ロンドンのヒースロー空港、ヘルシンキのバンダー空港、アジアではシンガポールのチャンギ空港、バンコクのスワンナプーム空港、北京の首都国際空港、香港の香港国際空港などから成田に戻ったとき、本当にがっかりする。 香港からの最終便は、だいたい夜9時前後に成田に着く。通関して第2ターミナル到着ロビーに出ると、レストランなどの店はほとんど閉まり、辺りは閑散としている。そのせいか、施設の老朽ぶりが目立つ。 成田の場合、午後10時ごろから朝方まで、一部のコンビニを除いてほぼすべての店舗が閉まる。24時間営業の店舗は、飲食店では第2ターミナルの吉野屋1軒だけだ。… … …(記事全文10,327文字)