━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.625 2022/08/09 「台湾有事は日本有事」は口先だけ。 日本人に本気で中国と闘う覚悟などない ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022080909000097926 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-97990.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 先週、ナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問したことが大きな波紋となり、いまも日本国内のザワつきは治まらない。中国は本気で怒り、ミサイルまで発射して威嚇してきたからだ。 ペロシ議長は、その後、来日して岸田首相と会談し、岸田首相はお決まりのセリフを口にした。 「台湾海峡の平和と安定を維持するため引き続き日米で緊密に連携していくことを確認した」 しかし、この首相、いや日本のすべての政治家、私たち国民に、本当に台湾を助けて中国と闘う覚悟があるだろうか? 私は、とてもそうは思えない。 このまま、緊張が続くなかで、日本は漂流していくだけになるだろう。 [目次] ────────────────────────────── ■中国ミサイルは正確に日本のEEZ内に着弾 ■台湾包囲の「軍事演習」は恒常化する ■誰が本気で台湾のために戦うのか? ■日本のお気楽メディアの米中批判 ■訪台中止は中国に屈したことを意味する ■バイデン発言がかえって事態を悪化 ■ホワイトハウスの説得を拒否したペロシ ■台湾併合は起こり、アメリカは参戦しない ■最善の台湾防衛は、台湾人自身が行うこと ■ペロシが去った後にミサイル発射の意味 ■防衛費GDPの2%に増額は無意味 ■「健軍100年」の2027年が節目の年に ■自衛隊は最前線で中国軍と交戦する ────────────────────────────────── ■中国ミサイルは正確に日本のEEZ内に着弾 多くの日本人、そして政治家たちも、まさか中国がミサイルまで発射するとは思っていなかったのではないか。しかし、それは単なる“希望的観測”にすぎず、中国はメンツにかけてアメリカとのチキンゲームに突入することを選んだ。 今秋に3選を控え、さらに「中国の夢」(アメリカに代わって世界覇権を握ること)を目指す習近平にとって、「引く」という選択はありえなかったと言える。 8月4日、中国が発射した9発(自衛隊発表、台湾国防部の発表は11発)の弾道ミサイルのうち5発が、日本EEZ内に落下した。その場所は、与那国島の目と鼻の先の60キロの地点であり、台湾上空を通過しての着弾だった。この状況から、中国が正確に着弾点を選んでいたのは間違いない。この点で、北朝鮮のミサイルとはまったく違っている。… … …(記事全文8,681文字)