━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.623 2022/07/26 放置される温暖化、気候変動リスク 東京もニューヨークも水没の可能性がある! ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022072609000097394 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-97457.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ もはや、「記録的な」とか「観測史上初めて」とかいう言葉は聞き飽きた感がある。それほど、地球温暖化、気候変動は進んでいる。 しかし、ウクライナ戦争で、世界的に温暖化対策は頓挫し、危機は深まっている。このままいくと、近い将来、東京もニューヨークも、海面上昇などにより水没の危険性すらある。しかし、政治の世界、経済の世界、そして投資の世界は、こうした温暖化リスクに真剣に取り組んでいない。 ついこの前まで私は温暖化には懐疑的だったが、ここ数年、毎年のように猛暑を経験すると、危機感は深まる一方になった。 [目次] ────────────────────────────── ■日本の空はバンコクなどと同じ熱帯の空 ■欧州全域を襲った記録的な熱波と山火事 ■北極圏も30度超えでトナカイも水浴び ■アメリカはほぼ全土で「華氏100度超え」 ■38度を超えると“危険注意報”が出る中国 ■日本などまだいい、耐えられない中国の猛暑 ■ウクライナ戦争で大量の温室効果ガスが排出 ■軍事関連排出量は全体の6%と推計 ■それでも明るい兆しがないとは言えない ■2100年には3.2度上昇するのは確実 ■なにをしようと海面は上昇し続ける ■500万人以上の大都市の3分の2が危機に ■東京とニューヨークが水没する日が来る ■少しずつ北を目指し、海辺の高台に住もう ────────────────────────────────── ■日本の空はバンコクなどと同じ熱帯の空 先日、知人のANAの国際線パイロットから、こんな話を聞いた。 「いまの日本の夏の空は、東南アジアの熱帯の空と同じです。ホーチミンやバンコクの空港に着陸するときと、羽田や成田に着陸するときは同じになりました。突然、積乱雲が発生するので、それを回避するのに苦労します」 パイロットにとって、積乱雲は大敵だという。それは、もし、そのなかに入ってしまうと、激しい揺れに見舞われ、場合によっては操縦不能になることもあるからだ。積乱雲は、その中心部に激しい上昇気流が、周囲には強い下降気流が発生しているので、近づくことは危険。そのため、パイロットは常に注意を払っているという。 「天気図や気象レーダーなどから、ある程度の予想は立てられます。しかし、熱帯の空は、突然変わるので、予想通りにはいきません。積乱雲に遭遇したときは、その距離や高さをすぐに察知しなければならないので、これにはキャリアがものを言います」… … …(記事全文9,155文字)