━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.617 2022/06/29 ロシアは必ず負けて衰退する! フィンランド冬戦争・継続戦争の教訓 (2) ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022062909000096155 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-96231.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ フィンランドとロシア(当時はソ連)の2度にわたる戦争、「冬戦争」と「継続戦争」は、ウクライナ戦争の行く末を知るうえでの格好の歴史の教訓である。 ロシアは昔から変わらない。国際条約を平気で破り、「偽旗作戦」を行い、人命をなんとも思わずに戦争をする。そうして、必ず失敗し、敗戦する。 昨日の配信記事では、フィンランド冬戦争の勃発までの経緯をかいつまんで述べた。今回は、フィンランドが戦い抜いて独立を守ったフィンランド冬戦争を詳述する [目次] ────────────────────────────── ■首都ヘルシンキを目指して侵攻開始 ■腐敗政権から国民を解放するという茶番劇 ■国際社会の全面的なフィンランド支援 ■独ソの勢力拡張を防ごうとした英仏 ■満場一致による国際連盟からのソ連追放 ■じっと戦争の状況を見守っていたヒトラー ■精鋭4個軍投入もことごとく撃退される ■将校を粛清しすぎて士気が低下 ■フィンンランドの冬を甘く見ていたソ連軍 ■史上最高のスナイパー、シモ・ヘイヘ ■ソ連軍の大攻勢により防衛線が突破される ■武器・弾薬が尽きて余儀なく停戦へ ■42万2000人の人々が故郷を失った ■再びソ連からの完全独立を目指したが ────────────────────────────────── ■首都ヘルシンキを目指して侵攻開始 1939年11月30日のソ連軍によるフィンランド侵攻は、今回のウクライナ戦争とそっくりである。侵攻以前、ソ連はフィンランドとの国境地域に大軍を終結させていた。そして、一気に国境を突破し、フィンランドの首都ヘルシンキを目指す作戦を立てていた。 この作戦を実行する前、ソ連は、国境でフィンラン兵がロシア兵に発砲したという言いがかりをつけた。いわゆる「偽旗作戦」である。 正確な数は定かではないが、戦記本や資料などによると、ソ連軍は23個師団45万人の兵士と、火砲1880門、戦車2385両、航空機670機をもって、フィンランド国境全域で侵攻を開始した。もっとも兵力を集中させたのはカレリア地峡の国境地域で、その兵力は24万人、戦車は1000両に達した。カレリア地峡を突破すれば、ヘルシンキは目と鼻の先である。 これに対して、この地域のフィンランド軍は14万人、戦車はわずか60両だった。ソ連軍との差は歴然だから、戦争は早期で終結すると、スターリンは勝利を確信していた。… … …(記事全文9,013文字)