━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.613 2022/06/08 株価はもう上がらない! 世界経済は試練の「長期低迷」へ (下) ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022060809000095415 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-95504.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この先もう株価は上がらない。このまま、株価のダウントレンドが続いていく。よくてイーブンはありえるが、それではインフレに食われてしまう。こうなった大きな要因は、世界経済の減速による長期低迷と、金融の量的引き締め(QT)にある。 コロナ禍でも株価がずっと上がってきたことに慣れ、いずれまた上がるだろうと思っても、そんな局面は当分訪れそうもない。そればかりか、株価バブルが崩壊することもありえる。 前回(昨日配信)に続いて、今後、 株価と世界経済はどうなるかについて述べてみたい。 [目次] ────────────────────────────── ■「1億総株主」は最悪のタイミングでは? ■株価が上がったのは財政支援とQEのせい ■NYダウのピークは3万6338ドル ■「ゴルディロックス相場」に警戒感 ■給付金で株を買う「ロビンフッド」現象 ■バブルは政府によって次々につくられる ■10兆ドル流出で時価総額は約20%下落 ■なぜ日本株はNY株に連動しないのか? ■ドルで見れば日本株は持ちこたえていない ■今後の焦点はQTがどう進んでいくのか? ■ウォール街でも悲観的観測が主流 ────────────────────────────────── ■「1億総株主」は最悪のタイミングでは? 世界中で株価がダウントレンドに入ったのは、今年になってからである。それでもまだ、コロナ禍のなかで株価がイケイケで上がってきたことを忘れられない人間が多い。そのせいか、この先、下げてもまたすぐに反発する。そう思い込んでいる人間がいる。そういう人間は、「押し目買い」をいまも続けている。 なぜなら、NYダウ、日経平均とも、ここにきて持ち直し気味だからだ。今年だけに限って見れば、NYダウは5月19日につけた3万1253ドルが一番底で、その後じわじわ回復し、現在は3万3000ドル前後で推移している。日経平均は3月9日につけた2万4718円の一番底で、その後5月12日に2万5749円で二番底をつけたが、現在は2万7000円台後半にある。 しかし、今後もこうした小反発が積み上がっていくとは考えづらい。 そんな折、岸田内閣は「新しい資本主義」「所得倍増」を政策の柱として、「1億総株主」を言い出した。この政策は「新・骨太の方針」として、6月7日に閣議決定される。 今後、約1000兆円ある日本人の預貯金を投資に向かわさせようというのだ。… … …(記事全文7,958文字)