━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.606 2022/04/26 ロシアの「核の脅し」は有効だった! 日本人も学ぶべきウクライナ戦争の教訓とは? ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022042609000093798 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-93905.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これまでいったい何回、ウクライナ戦争に関して書いて配信してきただろうか? すでに開戦から2カ月以上がたち、世界の混迷はますます深まっている。 しかし、はっきりしたことはただ一つ。この戦争には勝者などなく、アメリカの世界覇権は後退し、世界は分断されていくということだ。核以外に自国の安全保障は成り立たないことは、もはや自明だ。条約も同盟もほとんど無意味となった。今後、私たち自身も、日本国も目を醒まし、いま起こっている現実を前提に生きていかなければならない。 なぜそうなったのか? ウクライナ戦争の教訓を、ここにまとめてみる。 [目次] ────────────────────────────── ■「核の脅し」に屈したバイデン大統領 ■キューバ危機で見せたケネディの強硬姿勢 ■軍事専門家ロシアの勝ちはないと見る ■英首相が「ロシアが勝つ」可能性に言及 ■「米英を信用していない」というウクライナ人 ■国際システムのすべては崩壊している ■核放棄はいまとなれば“後の祭り” ■「覚書」も「条約」もただの紙切れ ■アメリカが守ってくれる保証はない ■信じていいのは「事実の論理」だけ ■もっとも賢明な判断をしたフィンランド ■徴兵制で予備役100万人という軍事国家 ■ウクライナ戦争の背後に潜む人種差別 ■日本人はいったいどちらに属するのか? ■プーチンの次世代ICBMとバイデンの棍棒 ────────────────────────────────── ■「核の脅し」に屈したバイデン大統領 事態は刻々と動いている。アメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官がウクライナの首都キーウを訪問し、グテーレス国連事務総長もロシアを訪れてプーチン大統領と会談した。しかし、それは表だった政治面だけの話だ。 南東部戦線では戦争が激化し、連日、多くの死傷者が出ている。街は破壊され、市民は殺戮され、人道は地に堕ちた。ウクライナ人の地獄の日々は続く。 この地獄を招いたのは、直接的にはロシアだが、西側にも責任はある。とくにアメリカは、バイデン大統領が「軍事介入はしない」と言ったことが、プーチン大統領に侵略の口実を与えてしまった。これを「バイデンの弱腰」と批判する向きがあるが、私もそう思う。… … …(記事全文9,410文字)