━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.605 2022/04/19 米対中ロによる「新冷戦」は宇宙に拡大! すでに全人類が監視されている ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022041909000093484 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-93593.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ウクライナ戦争で、私たちは衛星写真による戦線の状況を何度見せられただろうか? いまや、戦争は地上ばかりではない。宇宙にも拡大しており、今後は、アメリカ対中ロによる「新冷戦」が宇宙でも展開されるのは確実だ。 ロシアは「ISS」(国際宇宙ステーション)から離脱し、今後は中国の宇宙ステーション「天宮」に参加するだろう。中ロとも、現在、宇宙兵器の開発を急ピッチで進めている。 それなのに、日本では、降ってわいたような核武装論議。あまりに時代に遅れすぎていて、絶望するほかない。 [目次] ────────────────────────────── ■ほとんど報道されなかった民間「ISS」旅行 ■「ISS」が落下するのを誰が防ぐのか? ■「ISS」運用期限はあと2年、2024年まで ■月面基地の建設を目指す中国の宇宙計画 ■すでに米ロを超えた中国の宇宙技術 ■中国が狙うのは月の資源と領有化 ■ロシア、中国は「衛星破壊兵器」を拡充中 ■「指向性エネルギー兵器」と「極超音速ミサイル」 ■極超音速ミサイルは撃ち落せない ■宇宙戦争の鍵を握る「衛星測位システム」 ■世界には4つの「衛星測位システム」がある ■宇宙軍を創設しては覇権獲得を目指す ■宇宙の覇権を握るのはどちらか? ────────────────────────────────── ■ほとんど報道されなかった民間「ISS」旅行 ウクライナ戦争のさなかの4月8日、民間人4人が搭乗したスペースX社の宇宙船「クルードラゴン」(Crew Dragon)が打ち上げられ、「ISS」(International Space Station:国際宇宙ステーション)に到着した。 これは、アメリカの民間宇宙企業「アクシアム・スペース」(Axiom Space)が主催した初めての「ISS」旅行で、民間による宇宙旅行新時代を象徴するイベントだから、アメリカではかなり大きく報道された。 しかし、日本での報道は小さかった。 昨年暮れ、実業家の前澤友作氏が、日本の民間人として初めてISSに行ったときと比べたら雲泥の差である。 あのときは、「一般の人の宇宙旅行が現実になった」と、メディアは大騒ぎした。しかし、いま思えば、前澤友作氏をISSに運んだのは、ロシアの宇宙船「ソユーズ」(Soyuz) だから、隔世の感がある。ウクライナ戦争が3カ月早かったら、前澤氏は宇宙に行けなかっただろう。… … …(記事全文8,213文字)