━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.604 2022/04/12 ロシアに対する経済制裁は効かない 世界は分断され、インフレは進み、ドルまで崩壊する ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022041209000093249 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-93360.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日々のニュースを追いかけて暮らしていると、大きな動きが見えなくなる。そうしてある日、気がついてみると、この世界がいままでと違っていることに愕然とする。 現在、進行中の世界的なインフレとウクライナ戦争は、まさに、そうした未来に私たちを連れていこうとしている。 ロシアに対する経済制裁など効かない。ウクライナ戦争は膠着し、世界は「欧米ブロック」と「非欧米ブロック」に2分される。そのなかで、インフレ、円安は進み、ドルによる世界支配も崩壊しかねない。 [目次] ────────────────────────────── ■「ウクライナがかわいそう」一色報道 ■なぜ、ロシア経済制裁は効かないのか? ■マクドナルド、丸亀製麺はどうなった? ■サハリンから撤退できないジレンマ ■安全地帯から「口先」で非難するだけ ■アメリカが動かないのは国益からか? ■“ウクライナ特需”に湧くアメリカ産業界 ■NATO加盟国でありながら反米のトルコ ■インフレで金利を下げるというトンデモ理論 ■日銀が金融緩和をやめない理由とは? ■「SWIFT」で加速する世界のドル離れ ■中国もロシアも独自の決済手段を構築 ■ドルは石油(ペトロ)による担保を失う ■中国は世界第1位の金産出国、ロシアは第3位 ■信用できるものがないもない世界の到来 ────────────────────────────────── ■「ウクライナがかわいそう」一色報道 コロナ禍が起こる前、2020年以前の世界を思い出してほしい。アベノミクスは成功した。景気は戦後最長の好景気「いざなみ超え」が続いているなどと、メディアは言っていた。 それが真っ赤な嘘であることは、コロナ禍が起こってはっきりした。そして、ウクライナ戦争が起こってみると、日本の平和がいかに危ういものであるかも、はっきりしてしまった。 これまでの日本のメディア報道が、いかにいい加減で、近視眼的か、もう私たちは気づくべきだろう。そうしないと、生活は困窮し、資産を失うのは確実だ。 つまり、いま、日本のメディアが「ウクライナがかわいそう」一色に染まり、ロシアはいずれ崩壊する。近いうちに、プーチンは失脚するなどと言っていることを信じてはいけない。 また、ウクライナ戦争に便乗して、日本も安全保障を見直し、核武装を視野に入れるべきだなどという論調が幅を利かすようになったが、そんな論調を受け入れていると、日本はますます貧しくなるだけだ。コスト計算なし核武装論は無意味だし、まして「核シェアリング」などはもっと無意味だ。核は自前で持たない限り抑止力にならない。 ■なぜ、ロシア経済制裁は効かないのか? まず、はっきりさせておきたいのが、ロシアに対する経済制裁は効かないということだ。経済制裁が効くのは、日本のような国、すなわち食料も資源もない国に対してだけだ。ロシアには豊富な石油、天然ガス、鉱物資源があり、小麦を筆頭にした農産物も十分にある。 つまり、ロシアは国内経済だけで十分にやっていける国家であり、その体制が専制・独裁であろうと民主主義であろうと、経済制裁には関係ない。 さらに、経済制裁といっても、抜け穴だらけで、制裁になっていないことを指摘しておきたい。すでに、このメルマガで何回か書いてきたので省くが、ドイツやイタリアが液化天然ガスを輸入して、その代金を払っている以上、制裁は無意味だ。むしろ困るのは、EUのほうである。 もう一つ、経済制裁参加国がほぼ欧米諸国だけで、中国、インド、ブラジルなどの大国、中東諸国、東南アジア諸国も参加していないことも挙げておきたい。これも、経済制裁が効かない大きな要因だ。 ■マクドナルド、丸亀製麺はどうなった? この前からメデイアは、ロシア国債がデフォルトするなどと騒いでいる。しかし、デフォルトして困るのは国債保有者であってロシアではない。ロシアは借金を踏み倒せるのだから、痛くも痒くもない。 デフォルトで外貨が乏しくなっても、エネルギーと食料を物々交換でもいいから、ともかく取引してくれる国があれば、それで十分やっていける。 モスクワではマクドナルドがなくなり、それでロシア人が困っているなどいうセンチメンタルな報道に騙されてはいけない。直営店以外のマックのフランチャイズ店は、いまも店名を変えて営業を続けている。 なにしろ、設備、ノウハウなどをただで手に入れることができて、万々歳だろう。 日本の丸亀製麺も同じだ。西側世論に便乗して撤退してみたら、フランチャイズ先に丸ごと乗っ取られてしまった。現在は「マル」という名で営業しているという。 こういう状況から、当初、「ロシアは経済制裁で追い詰められる」と言っていた専門家たちは、最近は「ロシアは伝統的に制裁に強い国。意外と長く持ちこたえられる」などと、言い出している。 ■サハリンから撤退できないジレンマ 日本の経済制裁も、じつは「口先」だけで、まったく実質的ではない。日本ができる最大の制裁は、サハリンの石油・ガス開発事業「サハリン2」からの撤退だが、岸田文雄首相は、3月31日の衆院本会議で「撤退しない」と明言した。 日本は、「サハリン2」のほか、ロシア北極圏のLNGプロジェクト「アークティックLNG2」の開発にも三井物産などが積極的にかかわってきた。ここからも、撤退しないことをすでに決めている。つまり、ロシアを非難はするものの、それは口先だけにすぎないのだ。 もし、ロシア産LNGを失えば、日本の電気料金は暴騰する。中東のLNGはいまや争奪戦となり、ばか高くなっている。 日本は、地球温暖化対策のためのエネルギー転換に大きく乗り遅れたうえ、政治的に原発停止に舵を切ってしまった。そのツケが、いま、大きくのしかかっていると言える。 これに追い打ちをかけるのが記録的な「円安」だ。エネルギーも食料も輸入しなければ、日本はやっていけない。私たちの暮らしは成り立たない。 ■安全地帯から「口先」で非難するだけ というわけで、どう見てもロシア帝国は崩壊せず、今後もずっと、欧米中心の西側と対立し続けることになるだろう。これは、ほぼ間違いのない未来図だ。 現在、ロシア軍が南方、東方への攻勢を強め、マリウポリで10万人以上の市民が取り残され、連日、命を失っている。しかし、アメリカもEUも「口先」だけで、力ではロシアを阻止しようとしない。 やはりいちばんひどいのは、ウクライナをロシア側から引き離し、NATO加盟を認めるように工作したアメリカだろう。バイデン大統領は、安全地帯のポーランドに行き、派遣米軍を労い、難民を視察しただけで、停戦協議の仲介に動こうともしない。 ウクライナに武器を小出しに与え、援助はするが、ロシアに対しては「戦争犯罪の責任を追及する」と、叫んでいるだけだ。これが、世界に責任を持つ覇権国家、民主国家のリーダーがすることだろうか? ■アメリカが動かないのは国益からか? ロシアを非難しながら、ウクライナを本当の意味で助けないアメリカは、「偽善者」と言っていい。バイデン大統領は、そのことを意識すらしていないようである。 キーフ郊外の町ブチャでの虐殺が発覚後、制裁強化でアメリカがやった最大のことと言えば、武器の供与を加速させる「レンドリース・アクト」(武器貸与法)を議会で可決したことだろう。 これは、第二次大戦でソ連に武器供与してナチスドイツと戦かわさせたことと同じだ。アメリカは、結局、日本が真珠湾攻撃をするまで参戦しなかった。 アメリカが動かないのは、政治的には伝統的な「モンロー主義」、あるいは「第三次世界大戦恐怖症(核戦争恐怖症)」にあると言えるかもしれない。しかし、経済的に見れば、国益に合致している。 ウクライナ戦争の長期化は、アメリカに好景気をもたらすからだ。 ■“ウクライナ特需”に湧くアメリカ産業界 アメリカは、ロシアに対する経済制裁の反動をドイツのように受けない。むしろ、トクをする。 原油や天然ガスばかりか、小麦やトウモロコシといった穀物価格も高騰しているが、産油国であり農業大国でもあるアメリカにとって、これは歓迎すべきことだ。 シェールガス企業は“ウクライナ特需”で復活し、欧州各国との供給契約を続々と結ぶようになった。中西部の農家の収入もうなぎ上りになってきた。穀物メジャーも売り上げ倍増で笑いが止まらない。小麦輸出が世界1位のロシアと世界2位のウクライナからの輸出がストップすれば、アメリカの一人勝ちになるに決まっている。 その結果、アメリカは景気が好転し、インフレに対してFRBが利上げをしてもいい状況になった。 しかし、日本は違う。「失われた30年」を引きずり、コロナ禍による落ち込みをいまだに回復できていない。少子高齢化が進み、人口がどんどん減っていく。資源も食料もない。こんな国が、アメリカと同じような経済制裁を行い、同じような金融政策を行えるわけがない。 ■NATO加盟国でありながら反米のトルコ 西側による経済制裁が効かないことを見抜いて行動している国の筆頭が、中国である。インドやブラジルも同じだ。ロシアとの関係を断ち切るようなバカな真似をすれば、自国経済が危うくなる。これは、トルコのような新興国も同じで、エルドアン大統領は、独裁色をますます強めている。 彼は、オスマン帝国の復活を目指しているというが、EUやアメリカとロシアの対立を巧みに利用している。 今回、ロシアとウクライナの停戦協議の仲介に入ったのも、そうした戦略の一環と思われる。現在のトルコはNATO加盟国でありながら、反米、反イスラエル、親ロシアである。EUに加盟申請しているが、イスラム国家であることで拒否されている。 このようななかで、2020年、ロシアから黒海を経由して天然ガスの供給を受ける全長約930キロのパイプラインを完成させた。トルコもまたエネルギー源をロシアに依存しているのだ。 さらに、ロシアの最新鋭の地対空ミサイルシステム「S400」を購入して配備した。「S400」はアメリカの「パトリオットミサイル」に比べ倍以上の射程があるという。 トルコが「S400」を導入すると、NATOの戦闘機の性能がロシアに筒抜けになる恐れがあるので、トランプ前大統領は大反対した。しかし、エルドアン大統領は聞く耳を持たなかった。 そんなトルコが、いま、ウクライナにドローン「バイラクタルTB2」を供与し、ロシア軍の戦車を破壊させているのだから、国際政治はデタラメとしか言いようがない。 ■インフレで金利を下げるというトンデモ理論 トルコのデタラメさに関しては、特筆しておかねばならないことがある。それは、インフレが進んでいるにもかかわらず、金融緩和を続けていることだ。 エルドアン大統領は、「インフレは金利を下げれば治る」というトンデモ理論を掲げ、過去2年半に3人の中央銀行総裁を解任した。そうして、無理やり金融緩和を続けてきた。 インフレを抑えるためには、金利を上げる。これが金融政策の常識で、逆に金利を下げるなど、あってはならないことだ。しかし、エルドアン大統領は、頑として聞き入れなかった。 そのため、トルコのインフレはいまも止まらず、ウクライナ戦争勃発後はさらに進行した。また、トルコリラは下がり続け、昨年後半には1トルコリラ=15円前後だったが、いま8円台まで下げている。 ■日銀が金融緩和をやめない理由とは? インフレが進んでいるのに、中央銀行が金融緩和を続けていると言えば、日本も同じだ。こんなことをやっているのは、世界中でトルコと日本だけである。日銀の黒田総裁は、金融緩和をやめるつもりはまったくない。 3月30日、日銀は指し値オペとともに、通常の国債の買い入れを増額し、2.3兆円余りも買い入れた。これは、量的緩和を決定した2013年4月以来、ほぼ9年ぶりの規模である。 これでは、インフレも円安も止まらない。日本は自ら率先して景気を悪化させているとしか思えない。うがった見方をすれば、そうしないと金利上昇によって国債利払い費がかさみ、財政破綻してしまうからだろう。 それを防ぐために、金融緩和をやめられないのだ。別に不景気でも役人は困らない。 ■「SWIFT」で加速する世界のドル離れ 経済制裁のなかでもっとも効果があるとされるのが“金融爆弾”と称される「SWIFT」(国際銀行間通信協会)からの排除だ。ロシアの金融機関にSWIFTを利用できなくさせれば、キーカレンシーである米ドルによる貿易の決済ができなくなる。つまり、輸出入がストップしてしまう。 アメリカは、これに踏み切った。 しかし、ここでもまた、ズベルバンクやガスプロム銀行などエネルギー取引の決済機関を外すなどの抜け道を設けたので、効果は薄れてしまった。そのため、制裁第2弾ではこれらの金融機関を追加したが、それでも抜け道は残った。 さらに、ドル決済からの除外の逆効果として、中東産油国をはじめとする非西側諸国の反発が強まり、ドル体制から抜け出そうという動きを加速化させてしまった。たとえば、サウジアラビアは、「ペトロ人民元決済」といって、人民元による石油取引決済の実施を早めることになった。サウジアラビアはもちろん、ロシアへの経済制裁には加わっていない。 すでに、石油取引に関しては、2020年には英BPが上海先物取引所で人民元建てにより中東産原油を引き渡すなどの事例があるので、各国のドル離れが進む可能性がさらに高まった。 ■中国もロシアも独自の決済手段を構築 2008年のリーマンショック以来、米ドルへの依存度を引き下げようという動きが、世界中で始まった。 中国はとくに、戦略としてドル依存から抜け出し、人民元の国際化と外貨準備の多様化を進めてきた。そうして、人民元による国際銀行決済ネットワーク「CIPS」をつくった。 これは、ロシアも同じだ。中国の「CIPS」と同様な、ルーブルを基にした独自の国際決済ネットワーク「SPFS」を、2014年のクリミア併合後の経済制裁を受けて構築した。中国の「CIPS」とロシアの「SPFS」がつながり、これにインドやサウジアラビア、イランなどが加われば、ドルの価値は明らかに低下する。 すでにインドは、ドルを介さず、ルピーとルーブルを使った貿易決済システムの構築に向かっている。 つまり、ロシアへの経済制裁は、短期的にはアメリカに好景気をもたらすかもしれないが、長期的には各国でドル離れが進むことで、アメリカの世界覇権の低下をもたらすのである。 ドル支配が薄れていくことで、世界はますますブロック化する。ドルとユーロによる「欧米ブロック」とドルを介さない決済が進む「非欧米ブロック」(中国、ロシアと新興国などによる経済圏)に、世界は分断されていく。 ■ドルは石油(ペトロ)による担保を失う 米ドルは 1971年のニクソン・ショックまでは、「金本位制」(ゴールドスタンダード)に基づく兌換通貨だった。本来、通貨は金(ゴールド)と兌換できなくなれば、信用・価値を失う。 しかし、アメリカはあらゆる国が必要とする石油(ペトロ)をドルのみで取引する体制を構築することで、ドルの基軸通貨としての信用を担保してきた。つまり、ドルは、金本位制から「石油本位制」(ペトロスタンダード)となり、今日にいたっている。 しかし、いまやアメリカは中東から手を引きつつあり、産油国であるロシアとは敵対しているので、石油はドルのくびきから離れ始めてしまった。 かつて世界の産油国は、石油取引で手にした莫大なドル収入を、ロンドンを中心とした世界中のオフショア金融市場を通じてドル建て金融商品で運用してきた。その最大の金融商品は、米国債だった。 つまり、世界の資産はほぼドル建てであり、グローバル企業も富裕層も、みなドルで資産を運用してきた。ロシアのオリガルヒも同じだ。 しかし、いま、その体制がウクライナ戦争をきっかけに崩れようとしている。バイデン大統領が、「軍事介入はしない」と言ったために、こんなことになってしまった。この老政治家は、自身がアメリカを衰退に導き、世界を混乱に導いているという自覚がない。 ■世界中の中央銀行が金を集めている 世界のドル離れが加速するにつれ、金の価値がますます高まっている。市場取引の金価格の上昇はもちろんのこと、世界中の中央銀行が金を集めるようになった。 現時点(2022年2月末)での「ワールド・ゴールド・カウンシル」(WGC)による世界の金備蓄量ランキングによると、第1位はダントツでアメリカ(8134トン)、第2位がドイツ(3367トン)、第3位が IMF(2814トン)、第4位がイタリア(2452トン)、第5位がフランス(2436トン)となっていて、IMFをのぞく上位4カ国の金保有量は、外貨準備の60%以上を占めている。 この4カ国に続くのが、第6位のロシア(2299トン)第7位の中国(1948トン)である。ちなみに、日本は第9位(845トン)で、アメリカの10分の1強にすぎない。しかも、日本の金備蓄が外貨準備に占める割合は、たったの3.8%である。 この金保有額から言えることは、ロシアと中国は侮れないということである。さらに、ロシアと中国は、この10年間で、世界のどこの国よりも大量に金を買っている。 主要国の中央銀行による金保有量などの変化(2010年9月と2021年9月の比較)を見ると、増加量をもっとも増やしたのがロシアで、ダントツの第1位1543トン(25.3%) である[注:( )内は外貨準備高全体に染める増加率]。 続いて第2位が中国で894トン(24.4%)、第3位がカザフスタンで330トン(28.2%)、第4位がトルコで277トン(24.8%) 第5位がインドで186トン(116.2%)となっている。 ■中国は世界第1位の金産出国、ロシアは第3位 先に示した分断世界の2大ブロックで見れば、「非欧米ブロック」が着々と金の保有量を増やしていることがわかる。つまり、もし世界が金本位制に戻るとしたら、ロシア、中国の力は無視できず、ドルの価値はますます低下することになる。 WGCの統計によれば、2010年9月と2021年9月の間に金の保有量を90トン以上増やした国は12カ国で、金の保有量と金以外の外貨準備高の両方を増やしたのは、ロシア、中国、トルコ、インド、タイ、ポーランド、メキシコ、ブラジル、イラク、韓国の10カ国だった。 各国とも、自国通貨の価値を高める努力をするとともに、ドル依存を減らしているのだ。これができていないのが、日本で、なぜ円が「安全資産」と言われてきたのか、皆目わからない。 金は世界中で産出されるわけではない。国別金の産出量ランキングでは、いまや中国が1位である。現在世界では金が1年に約3000トン前後産出されるが、中国はその10分の1である380トンを産出している。 第2位はオーストラリア、第3位はロシアである。ロシアは広い国土の各所で大規模な採掘活動が行っており、2017年には中国と共同で金採掘のために9億ドルの投資をするプロジェクトを立ち上げている。 ■信用できるものがないもない世界の到来 ウクライナ戦争を早急に終わらせ、ロシアの軍事力を叩き潰し、政権交代により、民主的な体制にしない限り、アメリカの世界覇権は低下する一方になる。この先、中国がますますロシア寄りになれば、本当に世界は2分され、日本は「欧米ブロック」のなかで、難しいサバイバルをせざるをえなくなる。 バイデン大統領が思わず口走った「プーチンを権力の座に止まらせてはいけない」は、失言ではない。これを失言としなければならいところに、いまのアメリカの弱さがある。 世界は、それを見透かして動き始めた。もはや、アメリカは覇権国家とは言い難い。口先だけで、信用できない国に成り下がった感がある。 「自由、人権、民主主義」は失われ、ドルも価値を低下させ、信用できるものはなにもない。そこに、地球温暖化による気候変動が襲い、日本にいたってはスタグフレーションと円安が進んで不景気が止まらない。気がついたら、そんな世界に、私たちは生きているかもしれない。 【読者のみなさまへ】本メルマガに対する問い合わせ、ご意見、ご要望は、以下の私のメールアドレスまでお寄せください。 → junpay0801@gmail.com ────────────────────────────────── 山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。 http://foomii.com/00065 有料メルマガの購読、課金に関するお問い合わせは、info@foomii.comまでお願いいたします。(その他のアドレスですと、お返事できない事がございます。御了承下さい) 配信中止、メールアドレスの変更はfoomiiのマイページから変更できます。 ログイン時に登録したID(メールアドレス)とパスワードが必要になります。 https://foomii.com/mypage/ ────────────────────────────────── ※このメールはご自身限りでご利用下さい。複製、転送等は禁止します。 ────────────────────────────────── ■著者:山田順(ジャーナリスト・作家) ■個人ウェブサイト:http://www.junpay.sakura.ne.jp/ ■Yahoo個人 山田順コラム:https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━