━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.603 2022/04/05 日本のメディアは偽善者すぎる なぜイーロン・マスクは「長生き」に反対なのか? ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022040509000092981 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-93094.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 長生きしすぎして、知力も体力も衰えた老人は“社会のお荷物”である。この厳然たる事実を、日本のメディアはけっして言わない。長寿を礼賛し、老いることの醜さと残酷さ、終末期医療の無駄を指摘しない。これは、大いなる偽善ではなかろうか。 世界一の富豪で社会変革事業家のイーロン・マスクは、先ごろ、持論の「長寿追求」に反対する考えを改めて表明した。なぜ、彼は長生きに反対するのだろうか? [目次] ────────────────────────────── ■人々が死ななければ社会は進歩しなくなる ■指導者が高齢では民主主義は機能しない ■イノベーションのピーク年齢は47歳 ■自分の主張を実践し6人の子供を持つ ■日本を例にとって高齢化の弊害を示す ■脳をアップロードして生き続ける未来図 ■絶対に長生きしたくないと自ら宣言 ■日本のメディアの無責任な「長生き礼賛」 ■メディアが報道するのは健康な長者だけ ■寝たきり老人は長生きを望んでいない ■筋力低下、認知症----老化は避けられない ■『楢山節考』が描いた日本人の死の行動 ────────────────────────────────── ■人々が死ななければ社会は進歩しなくなる イーロン・マスクが、持論の「長生きには反対」「長寿追求には賛同できない」という話をしたのは、ドイツのメディア大手アクセル・シュプリンガーのCEOマティアス・ドップフナーとの対談の席である。3月27日、彼はドップフナーをカリフォルニア州フリーモントの自社工場に招いて、ウクライナ戦争を含む世界が直面する問題や人類の将来について語りあった。 (この対談の模様は「Business Insider」で紹介されている。ちなみに「Business Insider」は、アクセル・シュプリンガー傘下のメディア) 対談のなかでマスクはまず、「出生率の低下が人類の未来において最大で唯一の脅威」だと述べ、その後に、以下のように語った。それを抜粋してみる。 「年長者が多いと、社会に閉塞感を生む。なぜなら彼らの大半が考え方を変えないというのが真実だからだ」 「人々が死ななければ、われわれは古い考えに埋もれ、社会は進歩しなくなる」… … …(記事全文7,336文字)