━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.586 2021/01/05 地球温暖化の不都合な真実(2) 「脱炭素」を進めれば進めるほど貧しくなる! ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022010509000089261 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-89427.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 昨日の記事で述べたように、これ以上の地球温暖化は防がねばならない。「脱炭素社会」(カーボンニュートラル社会)をできるだけ早くつくる必要がある。 しかし、世界が本気で「脱炭素」に取り組めば、現代文明は後退し、莫大なコストにより人々の暮らしは貧しくなるだろう。 はたして、人類にこれができるだろうか? それ以前に、現在のクルマのEV化促進や再生可能エネルギーへの転換によるカーボンニュートラル戦略が矛盾だらけであることを指摘しておかなければならない。 [目次] ────────────────────────────── ■愛車のEVを爆破したフィンランド人 ■中国では「EVの墓場」が出現、拡大中 ■「年完全EV化」の裏に「不都合な真実」 ■南米では水が枯渇、コンゴでは子供労働 ■ソーラーパネルの寿命はわずか約30年 ■放置され続けるソーラーパネルの廃棄問題 ■「脱炭素先行地域」で太陽光発電を推進 ■中国とインドの異議でIPCC声明は後退 ■人類に地球温暖化は解決できない ■脱炭素以外の解決策もあるのではないか? ────────────────────────────────── ■愛車のEVを爆破したフィンランド人 昨年の暮れ、話題になったユーチューブの動画がある。フィンランド発のこの動画には、EV(テスラのModel S)をダイナマイトで爆破して喜ぶ人々の姿が写っている。 いったいなぜ、彼らはEVを爆破したのだろうか? このクルマの持ち主は、フィンランドの田舎町ヤーラに住むツォーマス・カタイネン氏。カタイネン氏はEVの大ファンで購入した中古のModel Sを乗り回していたが、1500キロ走った時点で警告ランプが点滅。テスラのディラーに持ち込んで点検を依頼した。 待たされること、1カ月。出てきた回答は「故障ではなく、バッテリー交換が必要」とのことで、その費用を聞くと、なんと2万ユーロ(約260万円)。カタイネン氏はびっくり仰天した。3万5000ユーロ出せば、最新型のModel Sの中古が買えるからだ。 もちろん、電池交換を断念したカタイネン氏は、その後一計を案じて、「Pommijätkät」というユーチューバーに連絡を取った。Pommijätkätは、フィンランド語で「爆弾野郎」という意味で、やって来た爆弾野郎のチームは、ダイナマイト30キロでEVを木っ端微塵に吹き飛ばしてしてしまった。 運転席にはイーロン・マスクの人形を置き、カウントダウンをしてスイッチオン。爆発と同時に集まった人々が拍手をし、乾杯する有様が、動画には生々しく写っていた。… … …(記事全文6,324文字)