━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.581 2021/12/07 なぜ、イーロン・マスクが世界一の金持ちなのか? バブル崩壊はテスラ株の暴落から始まる ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021120709000088265 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-88438.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ オミクロン株の出現で、一気に不透明になった世界経済。コロナによる金融バブル崩壊が現実味を帯びてきた。しかし、そんななかで世界一の金持ちになったのが、テスラCEOのイーロン・マスク氏だ。 「人類未到の個人資産3000億ドル」突破の原動力は、テスラ株の暴騰である。これは、明らかなバブルなのに、そのリスクを誰も指摘しない。バブルを続けるほうが、誰にとっても心地いいからだ。 しかし、危機は確実に迫っている。 [目次] ────────────────────────────── ■個人資産がトヨタの時価総額を上回る ■マスク氏の持株比率はゲイツ氏よりはるかに高い ■単なる自動車メーカーに「PER」200倍 ■参入障壁が低いうえ自動運転ではビハインド ■自動運転時代のクルマはシェアリングが主流 ■宇宙でもライバルのジェフ・ベゾフを揶揄 ■利用者(ユーザー)が少ないのになぜ金持ちに ■なぜGAFAMは規模を拡大できたのか? ■GAFAMも「収穫逓減」の壁にぶつかっている ■投資家はバブルに乗ることを好む ■誰もが投げるタイミングを待っている ■バブル崩壊後は暗黒の1930年代の再来か ■いつ弾けるは予想できないが、必ず弾ける ────────────────────────────────── ■個人資産がトヨタの時価総額を上回る これまで、世界一の大富豪と言えば、長い間マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏だった。それをアマゾンのジェフ・ベゾス氏が追い抜き、現在の「フォーブス」長者番付における順位は、1位ジェフ・ベゾス、2位イーロン・マスク、3位ルナール・アルノー(LVMH:モエ・ヘネシー・ルイヴィトン)、4位ビル・ゲイツ------となっている。 しかし、この「フォーブス」の順位は今年の初めまでの順位で、現時点では、イーロン・マスク氏が断トツの1位に躍り出ている。それは、長者番付における資産評価の大部分が、持ち株の時価評価で決まるからだ。 NY株価は、コロナ禍が始まった2020年3月に一時2万ドルを割り込んだが、その後、回復。2021年11月にはついに3万ドルを突破し、今年の7月には3万5000ドルを突破した。 テスラ株価は、コロナ禍前の2019年末時点では50ドルほどだった(株式分割の影響もあって)。それが、2020年からのコロナ禍の2年余りで、なんと約25倍になった。このテスラ株の暴騰が、マスク氏を富豪番付1位の座に押し上げたのである。… … …(記事全文8,384文字)