━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.579 2021/11/23 “環境少女”の言うことを聞いてはいけない! アメリカとドイツ(欧州)が陥ったインフレの罠 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021112309000087716 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-87895.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最近のアメリカやドイツをはじめとする欧州諸国のインフレの一因に、地球温暖化防止のための環境対策が挙げられる。環境投資をしすぎたために化石燃料開発に資金が回らず、これが資源価格の高騰を招いている。アメリカではガソリン代が高騰し、ドイツは停電危機に陥っている。 つまり、環境少女”グレタ・トゥンベリさんの言うことを聞いていたら、経済は崩壊し、文明は後退し、人々の暮らしは貧しくなっていくだけになる。 地球温暖化は待ったなしかもしれないが、対策を急ぎするとひどいことになる。ただ、それでも地球温暖化対策は進んでいくのだろう。 [目次] ────────────────────────────── ■バイデン大統領の記録的な支持率低下 ■なぜインフレ(物価上昇)は止まらないのか? ■再生可能エネルギー転換が招いた価格高騰 ■日本には戦略的な原油高騰対策がない ■なぜアメリカは石油価格を下げられないのか? ■コロナの再ブレイクとインフレのダブルパンチ ■最悪の場合、今年の冬にドイツは大停電になる ■COP26の共同声明にインドと中国が反発 ■クルマや飛行機に乗るな、肉を食べるな ■アメリカに比べ圧倒的に少ない予算 ────────────────────────────────── ■バイデン大統領の記録的な支持率低下 バイデン大統領の支持率が、ついにトランプ前大統領以下になった。「USAトゥデイ」と「サフォーク大学」の最新の調査では38%、「ワシントン・ポスト」と「ABCニュース」の調査では41%である。これは、就任以来最低で、両調査とも不支持率は50%を超えている。 大統領ばかりか、副大統領のカマラ・ハリスの支持率も史上最低とも言える20%台で、もはやバイデン政権はアメリカ国民の信頼を失っている。 この記録的な支持率低下の原因は3つ考えられる。 1つ目は、新型コロナウイルス対策が機能せず、再び感染拡大に転じてしまったこと。2つ目は、アフガンからの撤退に失敗したように外交ミスが続いたこと。3つ目が、止まらないインフレである。 このうちやはり、インフレによる国民生活の困窮がいちばんの原因だ。 アメリカのガソリン価格は、もともと日本より4割は安い。それが、昨年の1ガロン(約3.8リットル)2.18ドルから、今年の夏には3ドルを超え、最近は4ドルに迫っている。クルマ社会のアメリカではガソリンは水みたいなもの。その価格が1年で約2倍になれば、国民の不満が一気に高まるのは当然だ。 しかも、アメリカは産油国だから、ガソリン代の高騰はシャレにもならない。… … …(記事全文7,121文字)