━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.574 2021/10/19 誰が台湾を守るのか? 米英豪も日本の保守も、じつは口先だけの可能性が。 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021101909000086248 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-86438.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、緊張が高まっている台湾情勢に関して考察してみたい。先日の中国の報道によれば、現在、中国軍は台湾上陸作戦の訓練に入っている。はたして、中国の台湾侵攻はあるのだろうか? もし、あるとしたら、いったい誰が本当に台湾を守るのだろうか? 現在、日本では反中言論が盛んだが、日本の保守は、じつは口先だけで、日本人の血を流してまで台湾を守る気はないのではないかと、私は疑っている。米英豪もそんな気はないのではないだろうか? [目次] ────────────────────────────── ■緊迫する情勢のなか、非難応酬合戦が続く ■米英日を中心の6カ国艦隊が中国を牽制 ■2025年、台湾軍事侵攻の能力が完備する ■国連追放により台湾は「国」ではなくなった ■日本は北京の「一つの中国」政策を承認 ■「理解し、尊重し」で「承認」ではない ■米台関係を規定している「台湾関係法」 ■アメリカはなぜ国民党を見捨てたのか? ■いまや台湾は人々の心の中まで独立国 ■台湾は親台派の岸田首相の就任を大歓迎 ■日米豪印4カ国の軍事同盟化した「クアッド」 ■台湾を承認しないで「守る」と言う欺瞞 ■「WSJ」のコラムニストが情勢を分析 ■2020年代半ばにリスクがピークになる ────────────────────────────────── ■緊迫する情勢のなか、非難応酬合戦が続く ここのところ、台湾情勢が緊迫している。 香港が事実上陥落したことで、次は台湾だという危機感が日ごとに高まっている。中国にとって台湾併合は長年の悲願であり、「中国の夢」の達成目標の一つである。そのため、北京はことあるごとに、台湾併合による「祖国統一」をアピールしてきた。 10月9日、北京では「辛亥革命」の110周年記念式典が行われたが、その席で習近平主席は、こう訴えた。 「祖国の完全統一という歴史的任務を必ず実現しなければならないし、必ず実現できる」 一方の台湾は、翌10月10日の「双十節」(中華民国の独立記念日)の式典で、蔡英文総統がこう訴えた。 「台湾の人々が(中国の)圧力に屈するとは決して思わない」… … …(記事全文10,298文字)