━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.570 2021/09/21 中国の「第二文革」による経済失速が日本を直撃。 インフレ大転換で生活崩壊! ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021092108000085143 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-85348.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 明らかに中国がおかしくなってきた。 習近平が進める「第二文革」(第二の文化大革命)によって社会の統制が強まり、経済が失速し始めた。このままいけば、日本も大きな影響を受ける。 現在、世界中でインフレが進んでいるが、中国経済の失速により、インフレはさらに進むだろう。とくに日本経済は、デフレからインフレに大転換する可能性がある。 経済成長なきインフレはスタグフレーションを招き、私たちの日常生活は困窮する。 [目次] ────────────────────────────── ■ロックダウンのせい? 夏からの経済失速 ■なぜ中国政府は恒大を救済しないのか? ■富をため込んだ大企業を粛清・国有化 ■芸能人の粛清、思想統制、教育の弾圧 ■中国への投資は危険、リスクが大きすぎる ■中国のインフレが欧米のインフレを加速化 ■かつて中国は日本のデフレの震源地だった ■いまもデフレだというのは本当か? ■賃金が上がらなければスタグフレーションに ■経済成長を伴わないインフレは貧困を招く ────────────────────────────────── ■ロックダウンのせい? 夏からの経済失速 中国は世界に先駆けてコロナ禍を脱し、経済復活を遂げると見られていた。たしかに、夏前まではこの見方が主流で、中国から発表される経済数値もそれを裏付けていた。 しかし、夏が過ぎたいま、中国経済の減速が鮮明になってきた。 最近発表された8月の小売売上高は、前年同月比2.5%増で、これは8.5%増だった7月から伸び率が大きく鈍化している。また、1〜8月の建設投資は前年同期比3.2%減で、回復が進んでいないことを物語っている。この建設投資の鈍化は景気に大きく影響し、7〜9月(第3四半期)の中国の経済成長率は前期比でマイナスになるのではと観測されるようになった。 夏になって経済が減速したのは、再び行われたロックダウンのせいだと言われている。南京でデルタ株の感染者が発見されると、中国政府は即座に行動制限を実施した。この結果、たしかに消費は落ち込んだ。 中国政府は「ゼロコロナ政策」をとっているので、これまで感染者が出るたびにロックダウンを繰り返してきた。9月に入ってからも、アモイで感染者が出て、いま福建省はロックダウン中である。 しかし、ここにきての中国経済の減速は、ロックダウンのせいばかりではない。習近平政権が始めた「第二文革」(第二次文化大革命)の影響も大きい。また、アメリカを中心に進められてきた「中国デカップリング」(サプライチェーンからの中国切り離し)も、じわじわと効いてきている。… … …(記事全文7,057文字)