━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.569 2021/09/14 円安、株安、インフレが襲ってくる! 誰も止められなくなったコロナ不況と長期低迷 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021091409000084884 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-85091.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 11月に誕生する新政権で、はたして日本経済はコロナ不況を克服し、長期低迷から脱却できるだろうか? いまの自民党の総裁選挙、野党の動きを見ていると、とてもそうは思えない。嫌な気分、嫌な予感が日毎に高まる。 アメリカも欧州も量的金融緩和の縮小に入りつつあるのに、日本だけは現状維持。このまま行くと、円安、株安が進むなかで、インフレが襲ってくるのではないだろうか? すでに、それを織り込んで動いている向きもある。 [目次] ────────────────────────────── ■感染者数の減少、菅退陣による気の緩み ■河野太郎は金融政策を「日銀に任せる」と ■岸田、高市の政策は財政無視のバラマキ ■野党の政策も「大きな政府」で与党と同じ ■FRBもECBも緩和縮小に方針変更 ■日銀の現状維持政策では円安が加速する ■株価3万円超えで逆に高まる下落懸念 ■1度価格が定着するとそれに慣れてしまう ■「効率的市場仮説」が通用しない世界 ■バブル崩壊に備え、資産は実物資産へ転換を ────────────────────────────────── ■感染者数の減少、菅退陣による気の緩み コロナの新規感染者数が減少し、いま、日本全体の空気は緩んでいる。菅首相が退陣を表明し、自民党の総裁選挙で新しい「顔」が誕生することも、この緩みを助長させている。さらに、先週、株価が3万円を超えたので、市場のムードも緩んでいる。 しかし、それだからこそ、私は嫌な予感がする。この先の日本経済に対する不安が拭いきれない。 まず、コロナの新規感染者数がなぜ減少に転じたのか、よくわかないことがある。メディアや専門家はワクチン接種が進むなか、人流抑制、行動変容の効果が出たと言っているが、そう信じるに足るデータがない。よって、信用できない。いつまた、第6波がやって来るとも限らない。 アメリカを見ても、欧州を見ても、ブレイクスルー感染が起こり、もはや収束は見通せなくなった。 そして、いま最大の注目が、自民党の総裁選。それに続く、総選挙で次の首相が決まるが、新首相が大改革をやれるとはとても思えないのだ。 現段階で、自民の総裁選には、河野太郎・行革担当相(57) 岸田文雄・前政調会長(64)、高市早苗・元国務相(60)の3人が立候補しているが、3人とも経済政策が現状踏襲にすぎない。誰も、いまの異常な金融緩和を是正すること、赤字財政を改善しようとはしていない。これでは、コロナ不況を克服し、長期低迷から脱却するのは無理だろう。 ■河野太郎は金融政策を「日銀に任せる」と… … …(記事全文8,446文字)