━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.567 2021/09/07 総選挙の争点が「コロナ対策」という愚。 日本経済の今後は「脱炭素政策」にかかっている (上) ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021090709000084576 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-84786.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 自民党総裁選、総選挙の最大の争点は「コロナ対策」だと、メディアは言っている。しかし、それは大きな間違いだ。コロナ禍はもう1年半以上も世界中で続いているのだから、日本独自の「コロナ政策」など必要ない。これまで遅れに遅れた医療体制を早急に整え、ワクチン接種を促進し、治療薬の開発・確立を行えば、いずれコロナと共存する(ウイズコロナ)社会は訪れる。 では、最大の争点はなにか? それは、「脱炭素」に突き進む世界のなかで、日本はどうするかだ。「カーボンニュートラル政策」は今後の世界経済、日本経済を決定的に左右する。これに失敗すれば、日本の衰退は加速する。日本人はどんどん貧しくなる。 10月末に、世界の行方を決める「COP26」(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)が迫っている。 *** 今日、明日の2回に分けて配信します。 [目次] ────────────────────────────── ■米ケリー特使が来日し日本政府と協議 ■危機感あふれる「IPCC」報告書の警告 ■楽観シナリオ、中間シナリオが描く未来 ■悲観シナリオの先にある温暖化適応シナリオ ■脱炭素覇権を取り戻すアメリカ、従う日本 ■再生可能エネルギーへの転換が最優先課題に ■EVより再生可能エネルギーがメインテーマ ■太陽光発電のコストを誰が負担するのか? ■もはや限界に達している太陽光発電 ■「原子力発電」比率の目標達成も不可能 ■石炭は捨てても、石油、LNGは捨てるな ────────────────────────────────── ■米ケリー特使が来日し日本政府と協議 今後の世界の方向を決める「COP26」( United Nations Climate Change conference 26)は、10月末、英国のグラスゴーで開催される。この会議が、今後の世界にとってどれほど重要かは、ここにきて活発化している世界各国の動きでわかる。 議長国の英国では、なんと高齢95歳のエリザベス女王が出席することを発表した。また、議長を務めるアロク・シャーマ前民間企業・エネルギー・産業戦略相は、世界に向けて「次の10年が決定的に重要だ」というメッセージを送った。さらに、英メディアによると、ローマ教皇フランシスコも健康状態次第では参加するという。 もちろん、スウェーデンの“環境少女”グレタ・トゥンベリさんもやって来るに違いない。 アメリカの動きも重要だ。バイデン政権で気候変動問題担当の特命特使に任命されたジョン・ケリー氏は、現在、世界各国を飛び回って調整に励んでいる。 もちろん、日本にも来て、先月31日、小泉進次郎環境相と会談した。さらに、菅義偉首相を表敬訪問し、「日米気候パートナーシップ」(共同で脱炭素化を進める枠組み)を確認した。… … …(記事全文9,167文字)