━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.565 2021/08/24 異常気象が拍車を! 気がつけば「悪性インフレ」で生活崩壊か? ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021082409000083992 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-84205.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コロナ禍に気を取られて、多くの人が気づいていないのが、インフレの足音。欧米では景気回復とともにインフレが進んでいるが、日本はいまだにデフレのままだ。ただし、最近は、少しずつだが物価が上昇している。 世界的なインフレに拍車をかけているのが、異常気象。このまま異常気象が続けば、金融バブルが招いたインフレにモノの供給不足によるインフレが加わり、物価はどんどん上昇する。そうなれば、日本の場合は「悪性インフレ」(スタグフレーション)に陥る可能性が強い。 コロナ収束後の世界は、いまよりもさらに過酷な世界かもしれない。 [目次] ────────────────────────────── ■インフレが止まらなくなっている欧米 ■日本は別世界。いまだにデフレが続く ■物価上昇も怖いが、ステルス値上げも怖い ■原油、非鉄金属、穀物などみな高値圏に ■地球温暖化による異常気象が続いている ■世界各地で起こった穀物減産の具体例 ■経済成長なきインフレは貧困を招くだけ ■1970年代の「狂乱物価」がよみがえる ■やがて襲い来るスタグフレーション ────────────────────────────────── ■インフレが止まらなくなっている欧米 インフレに関しては、欧米ではすでに多くの警告が発せられている。 アメリカでは、今年の3月から消費者物価指数(CPI)が前年同月比で上がり続けてきた。3月2.6%、4月4.2%、5月5.0%、6月5.4%。この6月の5.4%は、2008年8月以来、約13年ぶりの高水準で、7月も同水準となったため、イエレン財務長官は「いずれ鈍化する」という声明を出さざるをえなくなった。 8月4日、イエレン長官はアトランタで記者団に対し、「インフレ率は年間ベースで当面は高止まりするだろう」と述べた後、「ただし、年末までにFRBの物価安定の目安と合致するペースまで下がるだろう」と続けた。 FRBの目標というのは、前月比0.1%ないし0.2%を意味する。しかし、いま、これを信じる者はいない。 欧州でもCPIは、この5月から前年同月比2%を超えた。そのため、ECBはとりあえず、目標とする物価上昇率を「2%未満でその近辺」から「2%」に変更し、2%以上を容認せざるをえなくなった。 インフレが進むと金利は上がる。それを警戒するムードが高まったので、ECBは最近になって、「物価上昇は年末までに収まる」という声明を出している。 ■日本は別世界。いまだにデフレが続く… … …(記事全文7,171文字)