━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.564 2021/08/17 世界は本当に元に戻るのか? どんどん遠ざかる「コロナ後の世界」 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021081709000083678 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-83892.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、この予測が当たらないことを願って、現在の状況から「コロナ後の世界」を展望する。ついこの間まで、ワクチン接種が進み、集団免疫が達成されれば、世界は元に戻ると思われてきた。 ところが、デルタ株が蔓延するともに、ブレイクスルー感染が発生。ワクチンの接種を終えた人も発症する例が見られるようになって、悲観論が語られるようになってきた。 もしかしたら、ワクチンではパンデミックは収まらず、「ウイズコロナ」は半永久的に続くのかもしれない。 [目次] ────────────────────────────── ■接種を終えても「ブレイクスルー感染」 ■「デルタ株」「ラムダ株」による感染拡大 ■接種が進んでいる国ほどリスクが高い ■「ブースターショット」が必要になった ■「集団免疫」はできず感染は収束しない ■寄生虫病薬「イベルメクチン」がインドを救った ■入院した中等症以上の患者のための治療薬 ■意図的にコロナ危機を長引かせている ────────────────────────────────── ■接種を終えても「ブレイクスルー感染」 ついこの間まで、ワクチン接種が進めば、世界は元に戻ると考えられてきた。アメリカでは、独立記念日までに国民の70%が接種を終えるとともに、すべての規制が撤廃されるはずだった。ワクチン接種で先行したイスラエル、英国も、世界に先駆けてコロナ禍から脱出できるとされていた。 ところが、実際は逆だった。 ワクチン接種が進んだ国ほど、感染者拡大のリバウンドが起きている。現在、記録的な感染拡大(第5波)に見舞われている日本でも、感染拡大が止まらない。 その理由として、「デルタ株の感染力が強い」「ワクチン接種をしていない若い層が感染拡大を招いている」と言われているが、はたして本当なのだろうか? 最近の報道を見ると、ワクチン接種を終えた人々が再び感染する「ブレイクスルー感染」が続出している。また、「接種者は感染しても発症が抑えられる」とされてきたが、ブレイクスルー感染者のなかから重症化する例も報告されている。 そのため、「ワクチンは効き目が薄いのではないか」「本当に効くのか」という声も出るようになった。 ■「デルタ株」「ラムダ株」による感染拡大 現在、世界的に感染を拡大させているのは「変異種」(ヴァリアント)の一つ、インド発の「デルタ株」である。すでに、多くの国で、英国発の「アルファ株」、南アフリカ発の「ベータ株」、ブラジル発の「ガンマ株」に置き換わっている。… … …(記事全文6,692文字)