━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.563 2021/08/10 コロナ禍のなかで起こっている2極化インフレ、 富裕層の「資産シフト」が進んでいる ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021081009000083452 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-83667.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 東京オリンピックが終わって、毎日の熱狂が去ってみると、新型コロナの感染爆発が目の前に広がっている。いまや、東京は一時のインドやインドネシアのような状況になろうとしている。ワクチンがすべてを解決してくれると思われたが、デルタ株に関しては通用しないようだ。 そんななかで、いま密かに進んでいるのがインフレだ。知らないうちにモノが高くなっているのを感じていないだろうか? いまだにデフレが続いているが、それは一般物価の話で、高級品は飛ぶように売れ、高級マンションは値上がりを続けている。一方、アメリカは確実にインフレになり、株から債券、不動産、金などへの「資産シフト」が進んでいる。 はたして、日本にもインフレがやってくるのだろうか? [目次] ────────────────────────────── ■なぜか飛ぶように売れている高級外車 ■デパートの高級品の売れ行きも好調 ■新築「億ション」は販売即完売続き ■金融緩和マネーが富裕層に回っている ■消費者物価はマイナスでデフレは止まらない ■インフレは一時的とFRBが金利上昇を否定 ■一般物件と違って高級物件は値上がり ■現在のインフレは「デマンド・プル」型か? ■問題なのは第3の「金融緩和インフレ」 ■貨幣の信用失墜ともにすべての信用も失墜 ────────────────────────────────── ■なぜか飛ぶように売れている高級外車 五輪後は不況が深刻化し、株価も不動産も下落すると、私はこれまで何度も述べてきた。五輪を強行開催したツケが回り、増税も確実。物価も低迷し、デフレも続いている現状では、こう考えざるをえないからだ。 しかし、そんななかで聞こえてきたのが、インフレの足音だ。スーパーなどの日常品の価格はあまり値上がりしていないが、高級品はみな値上がりしている。高級外車は飛ぶように売れているし、都心のタワマンなどの価格も上昇している。 日本自動車輸入組合(JAIA)によると、1000万円以上する外車の販売台数は、この6月、前年同月比60.9%増の3336台と大きく伸びた。この傾向はコロナ禍が始まった昨年からずっと続いていて、最近はより顕著になっている。 売れているのは、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ、ベントレー、ベンツなど。とくにフェラーリやベントレーは毎月、過去最高記録を更新している。 この状況に、メルセデス・ベンツ・ジャパンは、7月から最高級ブランド「マイバッハ」の新モデルを投入した。IOCのバッハ会長の不人気ぶりに売れ行きが懸念されたが、クルマのほうはまったく影響を受けなかったという。 ドイツ車といえば、アウディの「RS6アバント」「RS7スポーツバック」などの高級スポーツ車も飛ぶように売れているという。… … …(記事全文7,515文字)